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専門コラム 第136話 2021年の目標は答えられる。が、目的は答えられない?

昨日、当社のクライアント社長が当社に来られ、いくつか営なまれている事業のうちの1つを再建するため、ご相談を受けていました。

この会社の既存事業の98%はBtoBでの売り上げなのですが、今後自社開発商品のギフト化や自社ECを本格的に取り組みたいとのことで、製造などハード面は体制があるがノウハウなどソフト面が足りず、ぜひコンサルティングをお願いしたい・・・でした。

昨年当社セミナーにもご参加され、事前にある程度お話を伺っていたこともあり、2月からのスタートでお受けしたのですが、社長にはこうもお伝えしました。

「社長も含めて当社のプログラムを受けていただきながら、事業に携わられる社員さんの教育も同時に行わさせていただきますね。」と。

社長は「社員教育ですか?」と、これには???な感じで思われたようで。

私は「もちろんギフト商品開発から販売に至るまでの実践をしっかりしていただき、1年内に向こう3年5年と続けるためのギフト通販・ECの仕組みはしっかりと出来上がります。」

「成功いただくために最も重要で核になることは、社長も含めて事業に携わる社員さんの目的の明確化とその共有です。当社のプログラムは表立っての社員教育向けではありませんが、十分に意識しながら進めさせていただきますので。」

こうお話すると社長は「ぜひそうしてください。お願いします!何とか独り立ちさせたい若手社員もいますし、部長クラスにももっと目的意識を持ってほしいので」と大変喜ばれました。

当社ではコンサルティングを始める時に、その対象が社長でも役員でも事業部長でも、必ずお聞きし、明確にしておくことがあります。

「なぜ今の事業を始められたのですか?何のために始められたのですか?」

さらに「なぜギフトや通販の事業をされるのですか?何のためにされるのですか?」

(またはされているのか?)です。これを全てのスタートラインとしています。

事業を進めていく上での施策、いわゆる打ち手はいくらでも変えることができますし、いつでも打つことができます。また、売上・利益などの目標設定やKPI設定も状況に応じて修正されることも多々あるでしょう。

ですが、よほどのことがない限り、変えてはいけない、変えてはならないのが、コンサルティングを始めるにあたっての中でも述べた”目的”です。

ビジネスの戦略策定の前に来ることであり、細かな施策もすべて、この”目的”に繋がっていなければなりません。

なぜ、それをするのか?なんのためにするのか?そして、誰のためにするのか?です。

口に出して言う・書面してに社員に配る・事務所に大きく張り出す・ホームページに掲げる・社長の心の中にだけ留めておき、自らの行動や社員への指示の時には、常になぜ?が組み込まれている・・・。

表現は乱暴に言いますと何でもいいのですが、ビジネスで何をするにしても常に「なぜ?」が中核かつ明確になければ、BtoBであれ、BtoCであれ、お客様や一緒に働く仲間、上司、部下、関係者からの揺るぎない支持は得られません。

どれだけ高価なアクセサリーやお洒落な服を身に纏い、入念に綺麗なお化粧をしても、中身の人間性が浅ければ一見ではお付き合いできても長くは続かないのと同じです。

ビジネスではこの中身の正体が「なぜ?」の明確化です。

私の専門とするギフトはさらに ”誰かのために” 行う行為です。商品や価格が先ではありません。誰かに贈りたい、感謝したいという気持ちが先にあるのがギフトです。

そのギフトという誰かのためのビジネスに対して提供者、事業者がまず自身の「なぜ?」が明確になっていなければ、到底ギフトビジネスでの成功には辿り着けません。

どれだけ提供者、事業者の思いが商品やサービスに込められているか?です。これがギフトのマーケティングでもよく言われる、ストーリーを贈るということです。

また、先の社長は雑談の中でこんなことも仰られました。

「うちに長年勤める営業事務の女性がいるのですが、先日彼女の一言の呟きから400万円の純利をたった1日で得ることができたんですよ!」

社長が良かれと思って提供していた物流の仕組みを、商談先にその物流の仕組みの説明に行く時、この営業事務の女性から「商談から私の作業が増えるのならしっかり利益が出るようにしてきてくださいよ。」と言われ、その時はちょっとムカついたそうなのですが。

移動の道中「この仕組みを相手に負担が掛からず、自社にも利益が残るようにできないか?」と、それまで考えなかったことを考え、400万の純利に結びつけたとのことでした。

仕組みの内容までここでは公表できませんが、この営業事務の女性は言葉足らずなことも多く誤解を受けることも多いらしいのですが、単に自分の作業負担を増やしたくないからということからでなく、会社の利益だけを追求したいだけでもありません。

自社・他社に関係なく関わる全ての会社や人がWin-Winになるためにどうあればいいかを、細かい業務までも含め落とし込みが出来ているからこそ出てきた言葉です。

そして社長がこの「なぜ?」をしっかりとキャッチできたことで、400万円の純利を得られたのです。

2021年、あなたの会社・事業の目的は明確になっていますか?

社員・関係者・お客様までしっかりと伝わっていますか?