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専門コラム 第128話 溢れかえる商品だけでは通用しない。中小企業が大企業と取引増大を望むには何が必要?お教えします。

  「日経MJを見て『これだ!』と思い、御社サイトも見てご連絡しました。」

10月7日、自著の広告が出稿された日、誰もが聞いたことのある大企業の方から、当社へご相談のお申し込みをいただきました。

当社では基本、リソースが限られた中小企業経営者、および経営者層の方を対象にしたコンサルティングがメインですが、時折このような大企業からのご相談も入ってきたりします。

中小企業でも大企業でも、ギフト通販ビジネスの指導をさせていただくことに変わりはないのですが、特に中小の場合は、まず会社全体がどのような状況にあるのかを把握しないといけません。といっても決算書を見るのではなく、どんなリソースをお持ちかです。

全体のリソースを把握した上で・・・

・ギフト通販を事業としてどこに位置付けて行なっていくのか?

・新規事業としての導入がいいのか

・既存事業を変換させるのがいいのか

・ギフト通販を用いてどう拡大できるのか

・どの程度の売上規模を目指すのか・・・など

これらを一つ一つ明確にしていきます。その上でこちらから全体像を提案し、経営者とスケジュール感などを相談しながら、コンサルティングを進め、長く売れ続くためのギフト商品開発や、ECなど通販、ギフトの事業設計を行なっていくことが基本です。

一方、先の大手企業からのご相談の場合は、経営者でなく、実務担当者からの相談が多いため、事業全体よりも、今行なっている自分が担当されている実務に関する相談が大半です。

取扱金額は大手なので、中小に比べると圧倒的に大きいのですが、経営者ではないため、こちら側も中小企業の場合とは少し、お話しのバランスを変えながらお伝えしたりします。

大企業であっても、当社にご相談に来られるということは、上司や会社に頼らず、または頼れない。だから自身で問題や課題を解決し、目標を成し遂げたいという強い志があるからですが、裏側は不安だから・・・でもあるのです。

中小で働く人から見れば、また大手企業で働いた経験のない方から見れば、売上は数百億、数千億、支店が全国にあったり、美味しくて安く利用できる社員食堂があったり、社員数も何百人、何千人、何万人だったりしますので、すごいなぁ、いいなぁと思ったりすることがあるかもしれませんが、私自身も経験上から言えますが、大手ならではの悩みも沢山あります。

そんな大企業に、ウチの商品やサービスを採用して大きく売って広めてもらいたい!というのは、卸販売をやっている多くの中小企業の願望の一つでもあったりします。

当社のコンサルティングでは、まずは自社で自分たちでしっかり売って顧客リストの獲得や、販売実績を積んでいくことを基本原則にしていますが、その先には事業を加速させるという意味で、このような大手の力を借りることも重要な販売施策でもあると位置付けています。

商品やサービスに少しでも興味を持ってくれたという前提で、大手企業との商談機会が訪れた時(オンライン商談でもいいですが)、どうすれば採用や取引拡大してもらえるか?

私の実経験からの答えは、ほとんどの場合「すぐには採用されない」です。

私がコンサルタントになってからの当社クライアントは中小企業がメインですが、クライアント社長に同行し、商談先の大手企業に行くこともよくあります。

相手が大手企業の場合、担当者は大抵の場合、年齢的に若く、経験が浅いケースも多いです。なので、失敗したら上司に怒られる、会社の中で自分の評価を下げてしまうなど、商売感覚よりも、当然ですがサラリーマン感覚の方が圧倒的に上回ります。

決定権、裁量権が限られて、その場で採用可否の判断ができないケースも多いですよね。

そこに中小企業が売り込みに行く場合、特に取引したい大手だと、若い先方担当者よりも、百戦錬磨の社長や役員が、直接行くケースも多々あるでしょう。

このような関係の場合、すぐに採用されて、大きく売ってほしい願望が見え見えの「他社はこうですが、ウチはもっと優れています!」や、「価格もできるだけ頑張らせていただきます!」というような、半ば強引で前時代的な商談は通用しません。

ではどうするべきか?

提案型、問題解決型。いわゆるコンサル型にしてください、です。

といっても大上段から押し付けるのでなもちろんなく。大手担当者の良き相談相手になって欲しいのです。

担当者にはどんな悩みがあるのか、事業や会社にはどんな課題があるのかをうまく聞き出したり、聞き出せなければ推測して、その場でサラリと解決法を思いつきでもいいから提言する。

他社の製品やサービスであっても、その会社にとって有益だと思えば、無理にうちの商品でなくてもいいと思いますよと、提言するなど。

採用さされるために後ろ側では、品質面、供給面、経営状況においても信頼・安心できるということが大前提には来ますが、そこはクリアできていたとして。

自身の業界や市場動向にも詳しい中小の社長や役員が、よきアドバイザーになってくれることは、たとえ若くてもリストラの不安も常にあり、上司もあてにできない、会社からも放ったらかされていたりしている、今の時代の担当者にとって、経験豊富でいろんな会社や世間を見てきて提案や提言をくれる取引先の社長は、ものすごく心強い存在になったりするのです。

私も大手に勤めていた時、何人かそういう社長がいて救われたことがあり、接待を受けたわけではなく、純粋に感謝の気持ちから、取引額が増えていったことは多々ありました。

当社クライアントにも、大手企業に対しそのような存在になって大成功されている社長が実際にいらっしゃいまして、大手各社との取引がどんどん大きくなり、8億の売上から20億と、たった5年で2.5倍もの成長を遂げられたのです。

商品単品の提案は決してせず、常に相手企業のためになるような事業提案型や的確な洞察に基づく提言から、とても厚い信頼を得ているので、営業効率がよく、利益率も高く、しかも長く取引が続けられているのです。

売り手でありながらも提言や、相談してもらえるコンサル的な存在になり、結果、売上が大きく増えることに繋がっているのです。

ネットで探せば、ほとんど望む商品やサービスは見つかるので、対大手でなく、中小同士の取引でも同じことは、時代的に言えるでしょう。あなたの会社の営業ではどうですか?

商品やサービスだけを一所懸命に売り込むばかりになっていませんか?

相手の立場や課題を理解し、ともに解決に向けて有効な提案ができていますか?