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専門コラム 第159話 マスマーケティングの終焉。理念・ヴィジョンが「個のマーケティング」の中心になる共感・共創の時代。

「戦略的にもマーケティング的にも凝縮した表現に注力しようと、あらためて決意することができました。ただ、独りよがりにならないようにすることも大きな課題と再確認できました!」

先日、あるSDG’sに繋がる取り組みをものすごく熱い想いを持ち、長年行っているY社長とお会いしました。Y社長は後日、私にこのようなコメントのメールが送られてきました。

Y社長に強くお伝えしたのは、端的に申しますとこのコメントを真逆にしたようなことです。

「戦略的にも、マーケティング的にも、凝縮した表現になっておらず、独りよがりになっている。」

要するに、目に見える”形”がない。”見える化”ができていないということです。

モノづくりにプライドを持っている企業経営者や生産者も、このようなSDG’sを行っている方も、ものすごい”こだわり”を持ってビジネスに取り組まれている方は多いです。

ですが、多くの場面で先のお話と同じようなことが見受けられます。

ものすごく立派な理念およびヴィジョンやこだわりをお持ちなのに、世に出す商品やサービスに分かりやすく落とし込まれていない、表現を仕切れていない。これはギフト通販でも重視するブランディング、マーケティングにも繋がるものです。

現代のネット社会、流通もECを避けて通れない時代です。プライベートでもビジネスでも、スマホひとつで大抵のことが済む時代です。

極端な話、たったひとつの製品、たった一言のキャッチコピー、たった1枚の写真に、その立派な理念およびヴィジョンやこだわりをどこまでシンプルに表しているか?、たとえスマホの1画面でも確認できて、語れているか?です。

このことは、企業や自身の言いたいこと、伝えたいことをそのまま延々と伝えるのではなく、相手(BtoBでもBtoCでも)の貴重な時間を奪わないこと、迷わせないことであり、このような、顧客志向の考え方に至っているか?ということです。

雑誌や新聞、ネットニュースであれば、見出しの出来一つで本文まで誘導するようなことですし、長編映画を見てもらうために、その魅力を1分程度にまとめたまとめた予告編のようなものと考えればお分かりいただけると思います。

できるだけ少ない言葉や写真(ちょっと見たくなるような短い動画もありかもですが)で、どこまで思考や考えの深みを込められるか・・・です。

大量生産・大量消費の時代は終焉を迎えようとしています。誰もがご存知のことでしょう。大規模な百貨店やスーパーでさえも、これまでのマスマーケティングから、個のマーケティングへのシフトを標榜し、その取り組みをし始めています。

最近の事例では、日本にも実店舗で上陸したアメリカ発のスニーカーのD2Cブランド、オールバーズは2016年創業のベンチャー企業で、創業からたった2年後の2018年に企業価値が日本円で1,000億円を超える企業になりました。

圧倒的にZ世代の支持を受けるこのベンチャー企業は、製品づくりのための素材はサステナブルな考えのもと行われており、WEBサイトでもその考え方はしっかり確認できますが、消費者に対して “考えの押し付け感” は全くありません。

何よりまず、スニーカーそのもののデザインが今主流のミニマルなデザイン、おしゃれで格好よく、そこに優れた機能性があり・・・。

ですが、そこまでならナイキやアディダスのような先行有名ブランドでも似たようなものは沢山あります。

さらに(このさらに・・・が重要です)、脱炭素など環境配慮した素材を用いたり製造工程をしている、企業の理念・ヴィジョンまで知った消費者が、リピート率50%を超える共感購入者=強いファンへと変換されていっているのです。

「ナイキなんて時代遅れ。環境にまで配慮したオールバーズを履いている自分はクール!」だと、自分もSDG’sに少しでも貢献しているという自尊心を満たしてくれているのでしょう。

先週のコラム、応援消費の購買心理でも申し上げましたが、このオールバーズでの最終的に購入を決める理由、買う理由は環境配慮です。ですが、それが先にありきではありません。

デザインがカッコいいから、どんな服装にも合わせられそうだから、しかも軽くて丈夫で吐き心地も良さそう!が、まずありきなのです。

だが、有名ブランドのスニーカーよりは割高。

しかし、サステナブルな取り組みが背景にあることで、そのことを含めて、割高な対価を ”気持ちよく” ”気分良く” 支払ってくれるのです。

これまでの個のマーケティングは、ひとりひとりの好みやニーズに合わせて・・・というものでした。

現代の個のマーケティングは「理念・ヴィジョンに共感・共創いただくマーケティング」に変わっているのです。

あなたの会社の商品やサービス、WEBサイトは、独りよがりになっていませんか?

消費者や購買決定権者の時間を奪わない、分かりやすい”形”になっていますか?

商品やWEBサイトでの見える化に注力したい、熱く強い想いを持たれている経営者、経営者層の方との出会いを、当社はいつでもお待ちしています。