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専門コラム 第25話 「伸びるEC、ネット通販。ギフトには莫大な市場余地がある」

 日に日に気温がグッと上がってきて、暑くすら感じるような日中になってきましたが、スマホやPCをデバイスとする、ネットショッピングは益々成長、こちらもどんどんと熱を帯びてきています。

以前のコラムでも紹介した総務省による家計消費状況調査(2人世帯以上を対象)で最も直近の平成30年2月調査分が4月6日に公表されました。ネットショッピングの世帯利用率は35.6%となり、平成29年同月は31.4%、平成28年同月は26%なので、ここ3年でも毎年着実に5%ずつ利用世帯数が伸びています。

2人世帯以上は日本全国、約3,400万世帯。そのうち2月だけで約1,200万世帯がネットショッピングをし、平均支出金額が9,960円なので、単月で約1,200億円ものネットショッピング利用がある計算になります。

 また過去の同総務庁調査からは、平成28年ネットショッピング全体の支出総額は、約3兆4千800億円。平成29年は約4兆3千200億円。この1年で、124%の伸びです。通販市場全体はアナログ含め約6兆円、EC化率はこの数字だけで見てもすでに約70%。単身世帯はもっとEC利用が多いのでさらに上がるのでちょっとした飽和状態、競争激化にあるとも言えますが、それでもまだ伸びてはいくでしょう。

 ではそのうち、ギフト(贈答品)のネットショッピング利用がどれだけあったか見てみましょう。

実際の調査よりもう少し多いと当社では見ていますが、結果によると3%です。年間ですと平成27年、28年、29年とギフト利用割合はほとんど変わらず約4%です。

 ネットショッピングでは1990年代後半からの黎明期より、カタログやTVなどアナログ媒体を侵食しながら、まず自宅用、自分用の商品で成長してきています。ギフトは人に贈るもの。店頭で自分の目で確かめたり、ギフト特有の包装などのサービスが
必要であったりして、ネットショッピングではなかなか利用されづらい側面も大きかったのです。

ギフト市場全体は法人ギフトも含めて10兆円市場ですが、ギフトのEC化率はこの数字からですとまだ19%、1/5に過ぎません。だからこそ4/5の大きな余地があるということです。ギフトのネット利用の割合は4.7%から若干下がって4.4%ですが、金額は28年1620億円、29年約1,920億円なので、118%の伸び率です。

今こそ、EC、ネットショッピングでのギフト販売手法をしっかり確立することが、多くの自宅用、自分用商品の価格競争や商品競争だけに突っ込むことなく、ギフトのEC、ネット販売を充実、プラスしていくことで売上増、利益増に着実に繋げられる可能性が大いにあるのです。

これまでや現在もアナログ媒体に携わってきた経営者や企業は、どうしても単品大量販売ができた従来の通販から抜け出せないことも多いのですが、そのようなことを言ってる時代ではありません。アナログ媒体がまだまだ主力であっても、ECにも積極投資、リソースを傾けていくべきですし、自分用、自宅用だけの販売ではもったいないのです。

 前回のコラムにも書きましたが、アパレル販売の有名企業、アーバンリサーチ社はアパレル商材ではない、ギフト専門ECサイトを立ち上げました。またSNSを利用するようなソーシャルギフトも定着を目指してどんどん増えてきています。このようなギフトECの動きは、益々活発化してくるでしょう。

ECでは、ギフト販売に沢山のチャンスがあると思いませんか?

昔の通販はよく売れたなあというところに留まっていませんか?