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専門コラム 第24話 「ギフトへの先入観は全くもって必要なし」

 

 先日4月10日、アパレル販売で年商約700億のアーバンリサーチ社(本社・大阪)が、ギフト専門ECサイト「musve (結ぶ)」を開設しました。始まったばかりなので、勝負はこれからと言ったところですが、ギフトのことをよく研究されていて、とても立派なギフトECサイトとなっていますので、今後に注目していきたいと思います。

 そのサイトを見ながら、昨年あるアパレル会社の経営コンサルタントの方より相談を受けたことを思い出しました。

「クライアント企業が婦人服と婦人靴をインターネットで販売しているのですが、服や靴はサイズがあるので、ギフトには不向きだと思って勧めていません。園先生、何かギフトとしてのやり方はあるのでしょうか?」

Webサイトを見せていただくと、すごく綺麗で流石にファッショナブル。価格は中高価格帯で、売上も好調とのこと。また、婦人服専門と言いながら、バッグや財布、ベルトなど服飾雑貨も販売されていました。こういった服飾雑貨は、様々なギフトシーンに対応できるのにもったいないなあというのが、まずは率直な印象でした。

それと本筋の服や靴ですが、確かに人それぞれにサイズがあり、不特定多数に向けたギフト販売や特定のシーズナルイベント、シーンによってはギフトとしての成立が難しい側面というのはあります。

 一方で、私自身は服をギフトでもらったことは何度もありますし、最近でも店頭やネットで服や靴を贈ったこともあります。では誰に頂いたか。誰に贈ったか。頂いたのは、私の妻からで、贈ったのは私の妻にです。決まって服や靴を贈っているわけではありませんが、夫婦ですから互いにサイズを認識していて、何が不足しているか、何が欲しいのかが分かるので服や靴のギフトに繋がりやすいのです。これはカジュアルギフトと呼ばれる、日常的なギフトの形態です。

相手サイズの認識が必要な場合、友人程度ではなかなか難しいでしょう。もっと身近な、独身であれば彼氏彼女、世帯持ちであれば、夫婦、子供、親といった身内へのカジュアルギフトなら、服や靴も立派にギフトは成立します。

もちろん身内向けのギフトであっても、特にこういったファッション関係ですとラッピングやその資材などもとても重要な要素になってきますし、身内へのギフトであれば、誕生日や何かのハレの日というのもあり、通販ではメッセージカードの用意も大事なポイントにもなります。

昨今では、ソーシャルギフトと呼ばれる、Facebook、Twitter、LINEなどのSNSを通じて買い物券のみならず、商品までも贈ることが出来るようになり、そういった手法を取り入れるのも手です。このソーシャルギフトは特にここ数年で急速に広がってきていますが、2020年には1,000億を超える市場になるとも予測されています。

それと、家族であれば、同じお店やブランドの服や靴を着たり履いたりしてもそうおかしいものではありません。

 ご相談いただいた経営コンサルタントの方が囚われていたのは、ギフトや商品ジャンルに対する固定的なイメージでした。一通り、簡潔に先に述べたことをお伝えしますと、ご納得されて「ぜひ色々研究してトライしてみます」とおっしゃられました。

昔ながらの儀礼的なギフト、中元や歳暮、内祝い、出産祝い、結婚祝いなどです。誕生日プレゼントも当然ギフとですし、クリスマスプレゼントもそうです。サイズがあるからといって、売り方、伝え方を先入観や固定概念で限定するべきではありません。ビジネスとしては非常に勿体ないです。

 今をときめく、アメリカのメジャーリーグで大活躍中の大谷翔平選手は日本ハムファイターズに入団決定時、まだ高校三年生の時点で驚きなのですが、「先入観は可能なことを不可能にする」と言ったそうです。早くから二刀流を視野に入れていたことがよく分かります。逆に言えば「先入観を無くせば、不可能なことも可能になる」でしょうか。

たとえ同じ商品でも、たとえギフト販売でなくても、訴え方、見せ方、シーンの提案で可能性を広げられることは、どのようなビジネスでも大いにあります。

あなたの会社では固定概念や先入観はありませんか?

同じ商品やサービスでも、幅広い視点から見てみませんか?