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専門コラム 第28話 「新しいが古い?古いが新しい?通販新潮流、DtoCの大いなる脅威」

 

 通販の世界では、昔もネットが中心となった今も様々な専門用語が飛び交います。アメリカが先導し、発展してきた通販(=ダイレクト・マーケティング)ですので、今も続々と新しいマーケティング用語が登場してきます。流通業界と同じ用語ももちろん使いますが。

このコラムを読んでくださっている皆さんは色々とご存知かと思いますので意味は省略しますが、CPO、CPA、CPR、LTV、CVR、RFM、ROI、KPI、SEO、VMD、A/Bテストなどなど。言い挙げますとキリがないくらいにありますね。

昔の通販でもRFM分析はありましたし、A/Bテストも言葉は違いますが、意味合いがほぼ同じのスプリットランや、VMD(ヴジュアルマーチャンダイジング)もありましたが、今ほどではありません。でも、やはりカタカナは多かったので、慣れるのには時間が掛かり苦労した記憶はあります。取引形態においても、BtoC、BtoB、CtoC、CtoB、CtoEなど様々な形がインターネットの発展とともに増えてきています。

 そのような中、日本ではセブン・イレブンの元会長・鈴木氏が提唱し始めたと言われる「オムニチャネル」という言葉がありますが、単純に言いますと、実店舗でも自宅にいても、いつでも買いたい場所で買いたい時に買えるというリアル店舗とネット販売を融合させた、総合的なチャネル展開ということです。

そしてオムニチャネルに取って代わるような形で登場してきたのが、最近の通販の新しい動きで当社が最も注目している、これもアメリカ発ですが「DtoC」という新潮流です。

D to Cは、Direct to Consumerの略ですので、BtoCのBusiness to Consumerに近いのですがいわゆる「メーカー直販」ということになります。さらに突っ込んでいきますと、日本ではユニクロに代表される製造小売りSPA(Speciality store retailer of Private label Apparel)が近いとも思われがちですが、大きな違いは店舗での販売は行わずに自社のECサイトでお客様にダイレクトに販売するというのがこの「DtoC」になります。

開業当初からこのDtoCスタイルで、リアル店舗では商品を見せるだけで、注文は全てオンラインでという取り組みを行う企業もアメリカでは登場してきています。

 メーカー直販というと、そんなものいくらでもやってる会社はある!ウチもそうだ!楽天市場にもいっぱい出ている!と怒られそうですが、当社が注目しているのは、これまでやりたくても販売店などの絡みでやれていなかった、計や車など高級品と呼ばれる一流ブランドのメーカーにもこの動きが出てきていることです。

ご存知の通り、すでに高級バッグブランドはヴィトンを始め、様々なブランドがすでに正規オンラインストアを運営しています。一方、高級時計や高級車と言われるブランドメーカーは直営店のみならず、多くは正規販売代理店を通じて、ブランドを守りつつ、その流通を大きく広げてきました。車であれば、正規ディーラーですね。

 昨年11月、メルセデス・ベンツが先陣を切ってオンラインストアをオープンしました。サイトを見ていただければ分かりますが、現在は全てのラインナップが購入できるわけではなく、オンラインストア限定販売の車のみ販売しています。ローンなどの決済はオンラインストアで完結、納車は各最寄りの販売店で行うとなっています。どのように販売店にマージンが落ちるのか仕組みは分かりませんが、いずれ仕組みが構築され、販売店にもメリットがある形で全ての車種をオンラインストアで扱うようになるのかもしれませんし、もしくは販売店を縮小するような仕組みに変わっていくのかもしれません。またこのような動きを他のブランドも追従していく可能性は大いにあります。

ロレックスなど高級時計の各ブランドはまだ自前のオンラインストアに着手していない感じですが、高級時計業界全体としてもEC化を目指していくようなことが最近の記事に出ていましたので、ベンツと同じように進んでいくことでしょう。

 一方で、サブスクリプション方式と言われる、通販的に言いますと、リピート販売と同じような定期購入でのDtoCもアメリカでは登場してきており、消費財の大企業メーカー、ユニリーバがカミソリの刃の定期購入サービス企業を10億ドルで買収するなどのニュースは記憶に新しいところで、日本だと花王がAmazonなどに頼らず、直接消費者に各家庭の消費サイクルに合わせながら定期的に、洗剤やシャンプーを届けるようなイメージになるでしょうか。

 しかし、大手メーカーや大きな有名ブランドメーカー、またフランチャイズチェーンなど販売店との共存共栄の場合、ましてそういった販売店への依存度が高い場合、直接販売すると当然大きな抵抗や軋轢が生まれますし、やりたくても出来ない事情が最大の課題として今もあります。

ですが、その昔、松下電器が家電量販店での販売に舵を切った時、全国に沢山あったフランチャイズのような販売代理店パナショップが大きな痛みとともに消えていったことをある年齢上の方ではご存知のの方も多いでしょう。このようなことは、EC、ネット通販が席巻している現在ではますます、どんな流通革命が起きても不思議ではありません。

現にアメリカでは、トイザラスが破綻、ホールフーズもAmazonの傘下に、Macy’s、ウォルマート、シアーズなど大型の百貨店や店舗も2017年には3,000店舗以上が閉店するとも言われているような状況です。出店過多などの問題もあったでしょうし、全てがECの影響ではないとは思いますが、大きな一因であることは事実です。

 25年前ほど、私が北海道海産物の産直通販を業界に先駆けていち早く手がけていた頃、一般的な流通経路は、「生産者→市場→仲卸→問屋・商社→店舗→お客様」ですが、産地直送では「生産者→お客様」なので、一番新鮮な状態かつ、流通コストをカット(中抜き)するため、いいものがお安く手に入ります!というのが一番の売り文句でした。

この流通中抜きコストカットをやりたくてもやれなかった、色んな業界の大きな製造メーカー、有名ブランドメーカーが今、旧来の流通形態の仕組みを壊してでもECという武器を通じて、進めてくることは確実でしょう。

 リアル店舗が中心の小売業も、製造メーカーも、商社も問屋業も、自社のEC化率がたとえ今は低くてもオンラインストアや楽天市場に出店をしている段階で、すでに通販業界の仲間入りを果たしていることを決して忘れてならず、推進を怠ってはなりません。その世界には、企業母体が大きくて有名なブランドも今後、直接DtoCとしてどんどん登場してくるでしょう。ギフトの通販においてもこのような流れを決して無視はできません。なぜなら、高級品やギフトシーンでは、誰もが分かりやすく有名なブランドや商品が、何と言っても圧倒的に支持されやすいからです。

あなたの会社のEC化率の目標・見込みはどれくらいですか?

まだまだ低いからと、会社の隅っこの扱いになっていませんか?