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専門コラム 第27話 「購入決定を左右する、ギフトのお客様心理 3つのポイント」

 

 GWも終わり、大きなギフトイベントの母の日が間もなくやってきます。ひと口に母の日のギフトと言っても、誰から誰へ贈るかには、様々な形があります。

息子から母へ、娘から母へ、夫から妻へ(母としての妻)、義理の息子から義理の母へ、義理の娘から義理の母へ、すでにお亡くなりになったお母様へのお供えとして・・・。兄弟一同や、家族一同からもあるかもしれません。

代表的な花などを贈ることはもちろん、最近ではお食事券をプレゼントする、家事を代わってあげる、家事代行サービスをなどの「コト」を贈ることもありますし、贈る人の年齢、贈られる人の年齢やライフスタイルによっても、母の日のギフトの在り方は様々です。

そんな中、先日発表された楽天の調査で、フォーカスされることの少ない「嫁姑間のギフト実態に関する意識調査」というのがありました。(調査対象:子と姑のいる20代~40代女性300人、息子と嫁のいる50代~70代女性300人の計600人対象)

家族関係で何より気を遣い、難しいとされる「嫁と姑」間でのギフトに関するなかなか珍しい調査ですが、この嫁姑という関係は、最もギフトのお客様心理が凝縮されている対象の調査だったので、取り上げました。

 調査では年中行事の中で、嫁が姑に贈りものをしたことがある第1位のシーンは「母の日」74.7%でした。2位は、「帰省時の手土産」57.0%、3位は「誕生日」54%なので、1位の「母の日」とは15%以上の大きな開きがあります。

また、姑への贈り物が負担だと感じることがあるかでは「あまりない」と答えた人が最多で42.8%でしたが一方で、「負担に感じる」ことがよくある、あるを合わせると、45.3%以上の嫁が「母の日の贈り物が負担」と考えていることが分かったとのことです。嫁と姑ですから、最も気を遣う関係性からの結果ですね。

具体的に最も負担に感じるギフトシーンの1位が「母の日」57,6%、2位が「誕生日」36.8%、3位が「帰省時の手土産」21.6%。その理由は、「予算の決め方が難しい」51.4%、「金額が高く経済的な負担が大きい」41.7%、「義理の兄弟や姉妹との兼ね合いを取るのが大変」の11.1%が上位とのこと。嫁姑の間でのギフトでは、義理の兄弟姉妹のことも考えねばなりません。

私自身もギフトの通販において母の日の顧客対応での実務経験が多々ありますが、このように嫁から姑へのギフトは、最も気を遣う注文や出荷になります。何かクレームに繋がるようなことがあっては一番いけない関係性から発生するギフトだからです。

 一方で、姑側に嫁から贈られて嬉しい「母の日の贈り物」の1位は「花」55.3%、2位は「市販のスイーツ」37.3%、3位は「感謝の言葉」26%ですが「感謝の言葉を贈って喜ばれた」と答えた人は、11位で3.1%と低く、嫁姑間の意識のギャップが浮き彫りにとなったとのこと。感謝の言葉は嬉しいと言っているのに、いざ表現しても喜んでもらえない・・・。複雑です。他には、姑はもらってうれしいが嫁がほとんど贈ったことがないものに「旅行」(欲しい:43人、贈った7人)、「手作りの食べ物」(欲しい:26人、贈った2人)、「代行サービス」(欲しい:5人、贈った0人)。これは旅行や代行サービスは金額的に高いことで分かりますが、「手作りの食べ物」は贈る側からするととても難しいですね。美味しいと言ってもらえるかどうかの怖さが潜みます。

 また、姑が嫁から贈られて負担に感じないギフト金額についての第1位は「3,000円以上~5,000円未満」42.2%、2位は「1,000円以上~3,000円未満」32.0%、3位は「7,000円以上~10,000円未満」12.1%でした。嫁姑の関係性では、あまり高額すぎてもよくないこともよく伺えますが、贈る側からすると安すぎてもダメだし、高過ぎてもダメだし・・・悩みますね。

何かと昔から難しい嫁姑間ではありますが「母の日」だけでも74.7%もの嫁が姑に贈りものをしている現実があります。帰省時の手土産や誕生日まで入れると、90〜100%に近付くでしょう。ギフトのビジネスから見ればとても大きな数字です。

 様々なギフトシーンでは、贈る人が贈りたいもの、贈られる人が贈って欲しいものにはどうしてもギャップが生じることは多いです。その全ては前述にもある、贈る側の誰にどの程度の予算で贈るのかを決めることの難しさです。高額なものを贈ればいいかという単純なものではなく、かえって気を遣わせてしまうこともありますし、母の日や誕生日のような毎年発生するギフトでは、一度、贈りものの金額を上げてしまうと、翌年以降もそれが基準になるので経済的な負担が大きい・・・ということにも繋がりかねません。

ギフト、贈りものは大前提として「もらう側に喜んでもらえること」があった上で、商品やサービスの提供側では、Webサイトであればギフトコンシュルジュ(指南や目安の提示)的な、よりパーソナルで親切なギフトの贈り方などを示したコンテンツや、案内があると、どうしようかと悩むお客様に対してとても親切で、購入を決めていただきやすくなります。

まとめますと、ギフトシーンを考えるときの優先順位は・・・。
シンプルだけど奥が深い、ギフト購入を促進する際の3つの大きな心理ポイントを書きます。

1.誰が誰に贈るものかを想定する(嫁から姑、友人同士、妻から夫、部下から上司・・・)

2.その贈るシーンや、誰に贈るかに対して、予算(価格設定)はいくらくらいが適当か

3.贈られるものやサービス、価格は、相手の気持ちの負担にはならないか

あなたの会社のギフト商品やギフトサービスはお客様の心理から捉えていますか?

ギフト購入を決めていただきやすいような工夫をしていますか?