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専門コラム 第15話 「企業姿勢を伝えるということ。その行き先は?」

この2月の商業的に大きなイベントは、明日いよいよ本番の14日のバレンタインデーと、終わりましたが3日の節分(=恵方巻き)ですね。

ギフトの視点から見れば節分はあまり関係ありませんが、バレンタインは大きなビジネスチャンスです。もっとも圧倒的なのはチョコレート業界ですがイベント自体が成熟してきて、自分へのギフトとしても需要が膨み、女性向けの服飾雑貨や一般雑貨、化粧品などの消費、レストランなどの外食産業でもますますの需要喚起の動きがされています。

そんな中、先日の日経新聞全面広告に有名チョコメーカーのゴディバが出稿、消費喚起でなくバレンタイン消費を衰退させる逆説的広告を打ちました。

「日本は、義理チョコをやめよう。」

この広告を見られた方もいるかと思いますが、要約しますと対象は義理チョコをもらう側の会社のトップに向けられたものです。誰にあげるのかに気を使う、お金も使う、準備もいる。だから毎年もどかしくバレンタインデーは嫌いだという女性を救いたい。そのためには会社のトップから「義理チョコ、無理しないで」と言ってあげてください。というのが、ゴディバ日本法人社長のジェローム・シュシャンさんの直筆サインとともに書かれた企業メッセージでした。

最後には「愛してる。好きです。本当にありがとう。そんな儀礼ではない、心からの感情だけをこれからも大切にしたい。」「バレンタインデーを好きになってください」と締めくくられています。

もちろん社内円滑のため、また義理チョコを大変でもお金がかかっても行為そのものが好きという女性の方も沢山いますが、その真逆でバレンタインなんか嫌いだという人のことも気に掛けていますという企業姿勢を示した、このゴディバの広告は本当に秀逸で久しぶりに目を奪われました。

また、節分の風物詩ともなった恵方巻きでも逆説的なメッセージを発信した兵庫県のスーパー、ヤマダストアーの広告が、ネットでも話題になりました。

2月3日節分特集と銘打たれた折り込み広告の横に大きな見出しで

「もうやめにしよう」「今年は恵方巻きを昨年実績で作ります。欠品の場合はご容赦を。」と書かれたのです。

恵方巻きをはじめ、特にワンデーイベントでの食品、クリスマスケーキなどもそうですが大事な日に欠品をしないよう、過去実績よりも多く準備することで大量廃棄の問題が毎年起こっています。
(メーカー側だけでなく、販売側も欠品を許さないという仕組みも問題です)

これに異を唱え、売上よりも企業姿勢をお客様にお伝えして理解を得た上で堂々と販売を行う姿勢には大いに感銘を受けました。

このゴディバ、ヤマダストアーの企業姿勢は多くの消費者の支持を得られたのではないかと思います。CSRとも言える活動ですので、企業価値を上げる目論見もあったのかもしれませんが、下手をすれば売上を大きく下げてしまうリスクもあるメッセージですから、よくあるCSRよりもより具体的でとても勇気のある姿勢表明だと思いますし、中長期の視点でみれば結果的には顧客ロイヤリティをさらに向上させる大きな戦略の中の施策だと言えます。

短期的な売上、利益の確保ももちろん経営にとって大事な時期があったりはしますが、常に中長期視野に立ってお客様に支持され続けるということはどういうことなのか、商品やサービスの前に、どのような想いがあって、それをどうお客様にお伝えしていくのか。こういったことがビジネスで優位なポジションに立つために重要とされるブランディングの核であり、企業価値も商品価値も高め、差別化・独自化に繋がっていくことになります。

あなたの会社は熱き想いをうまく伝えられていますか?
消費者、お客様の視点に立ったメッセージを発信できていますか?