専門コラム 第221話 現状を否定しない限り、新たな売上増、利益増には向かえない。
「園先生、おかげさまで胸に突っかかっていたものが吹っ切れてスッキリしました!引き続きよろしくお願いします!」
今週初めに定期訪問した当社クライアント企業のプロジェクトリーダー、Nさんからのとても嬉しいメールの一部です。
はたしてNさんの胸には、何が突っかかっていたのか?
おととい14日はバレンタインデーでしたが、コロナ禍前の2018年、あのゴディバジャパンがCEO名で「日本は、義理チョコをやめよう。」という、自社利益を顧みない!?ような、全面広告を日経新聞に出していたことを、毎年思い出します。
※その時のことを執筆した専門コラム【第15話】はこちら
https://urerugift.com/?p=11584
そう、日本では昔からの慣習や義理ごとは減っていき、単価も下がり(利益も)ギフト市場は、儀礼的なフォーマルギフトから、より近しい人へのカジュアルギフト、パーソナルギフトへと需要が大きくシフトしていることは、当コラムをお読みいただいている方ならよくご存じでしょう。
そんな時代の流れの中、このクライアント企業は得意で強かった儀礼的ギフトから、通年利用されるカジュアルギフト、パーソナルギフト市場に進出するため、昨年より当社へコンサルティングの依頼をされました。
ここまで取り組んできて、カジュアルギフト、パーソナルギフト市場への足がかりにする新ブランド、新商品の骨子がようやく固まったことから、Nさんの胸に突っかかっていたものが取れました。
ですが、胸に突っかかっていたのは骨子のことではありません。骨子に至るまで・・・のことです。
Nさんの会社はメーカーで、先にも述べたとおり、昔から儀礼的ギフト向けがとても強く、
自社工場で作る自社製品を生かしたとして、それでは新市場は開拓出来ないのではないか?
このことが、最もNさんの胸に突っかかっていたものでした。
昨年のコンサルティング導入スタート前から、私はこうお伝えしていました。
「どうしても自社製造、自社製品を使わなければならないなら、そこでの最善策を探りましょう。しかし、他社製造で進めていいのであれば、その方が新しいチャレンジはとてもやりやすいでしょう。」と。
そしてようやく他社製造で進めてもいいとの回答を、会社から得られたのです。
私は「よかったですね!正直、これまでの自社製造品での新市場開拓は難しいと思います。よほどの大きな投資を長期でやり続けられるなら別ですが。他社製造だからこそ新しいものに取り組めて、新市場の開拓も莫大な投資まで必要なく、在庫リスクも回避できますし。」
「今までにない、よりインパクトの強い新ブランド、新市場へ進出することがより鮮明に見えてきましたね!」
このように実現可能という結論に至ったことで、道が大きく開かれ、目の前が明るくなり、Nさんの胸に突っかかっていたものが、スッキリ取れたのです。
こういったことは何もNさんの会社に限ったことではありません。
どんな企業でも、新市場に進出したいなら、現状をまずは否定しない限り、前には決して進めない・・・ということです。
これまでやってきたことが、会社の売上や利益に占めるウェートが大きすぎる場合、なかなか新たな一歩に踏み切れないことも、もちろん理解できます。
一方で、フォーマルギフトからカジュアルギフト、パーソナルギフトへの挑戦というのは、同じギフトでも180度違うと言ってもいいくらいの「新市場」なのです。
スッキリしたNさんはこうもおっしゃいました。
「これからの時代は、本業をバッサリと切り捨てることも必要なのかもしれませんね。」
新たな挑戦というのは今までの延長ではとても難しく、ハッキリ述べるなら、新たな挑戦とは呼べないものになるでしょう。新市場へ進出したい、新たな売上軸や事業軸を作りたいのであれば、現状を否定してみることです。
あなたの会社では、新市場や新商品で売上創出をしたいと思っていますか?
したいならまず、現状を否定することから始めませんか?