専門コラム 第17話 「通販事業者にとって、ラストワンマイルよりも大事なこと」
先週、経済紙Forbes Japanに取り上げられた記事から、Eコマースにおいて、また当社が推進するギフトの通販、また通販全体において、とても共感する記事があったので紹介します。
現在世界のEコマースの市場規模は3兆ドルというところから記事は始まります。アメリカ・LAに本拠を置く「Lumi」というIT活用を行う、梱包資材を販売する会社のお話しです。32歳と30歳の若き起業家が設立した4年目で、2つ目の会社だそうです。
記事を要約するとこの「Lumi」は、1,000以上の工場を独自ソフトウェアでネットワーク化し、これまで18,000以上のプロジェクトを受注、梱包用アイテムを製造、提供し、携わった商品は食品からマットレス、化粧品、薬、電気製品、本、ゲームまで多岐にわたるそうです。従来、EC企業はブローカーを見つけ、限られた数の工場の中から選ばなければならなかったとあるので、この「Lumi」は、日本でだと印刷業ですが、プリントパックやラクスルのような存在でしょうか。
収益源は、箱やテープ、包装用紙、紐バッグなどの梱包用製品の販売で 、カスタムテープやゴム印といった製品から、耐久性の高い箱のデザインと製造、パッケージングエンジニアリングなどのサービスを展開。材料選びから構造デザイン、印刷工程に至るまで、顧客のニーズに応える工場を探すサポート。同社の目標は「製造をウェブ並みにスケーラブルにすること」だそうです。※スケラーブル=小規模なものから大規模なものへ規模拡張
あと、若き経営者が事業を分かりやすく説明されているので、そのままコメント記事を引用します。
「特定の梱包パーツを得意とする工場を見つけるのは手のかかる作業だが、Lumiは、テクノロジーを駆使することで顧客にとって使いやすいサービスを作り上げている」
「Lumiは、データを駆使して顧客に最適な工場を提案し、顧客が満足する箱を作ることが可能」
「FabFitFunは、Lumiのデータに高い関心を持っており、我々を発注プラットフォームとして利用している」※「FabFitFun」化粧品やファッション雑貨などのサブスクリプションサービス=リピート通販を展開するEC企業
「我々は、何百ものEC企業からの発注を取りまとめているため、ブランドはLumiを介すことで単独では獲得できない好条件を得て、梱包材料費を削減することが可能」
「EC業界は驚異的に成長しているが、梱包はB2C企業にとって極めて重要だ。なぜならば、Eコマース企業にとって梱包こそが顧客との最初の接点だからだ」
特に最後の言葉、 ”梱包こそが顧客との最初の接点” は、当社の実務指導、想いと全く同じです。
通販もギフトの通販も、ECでもDMやTV通販でも、お客様とのリアルな最初の接点は、中身の商品より先に ”箱(袋)” です。自分用でも、贈り物でも、お客様が届くのを楽しみにしていた商品の梱包がどういう状態かで、全ての印象が決まります。
もちろん、高額な商品や粗利のある商品でなければ、梱包資材に多くのコストを掛けることは出来ませんから前述のLumiのように、安くていい資材、デザインを提供できるような会社があれば利用価値は高いでしょう。
資材コストを抑えつつも、より深く考え練られた最低限のデザインや工夫を施さないと、中身の商品がいくら品質やデザインが良くてもその良さの伝わり方は半減しますし、提供事業者へのロイヤリティも薄くなってしまいます。提供事業者にとっても、お客様にとっても、中身が良ければ良いほど、とてももったいないことになります。
今世間でEC業界、通販業界でよく言われるラストワンマイルを制す・・・ももちろん大事なことですが、届けた時、受け取った時にどう感じられるのかは、その手前で手を打っておくべき大事なことになります。
テープ留め一つでも、単に茶色や白のテープなのか、デザインされたマスキングテープなのか、貼り方は丁寧なのか雑なのかでも、その印象は大きく変わリます。
あなたの会社の商品の宅配梱包の印象はどうですか?
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