専門コラム 第207話 BtoC拡大を目指す中小企業は、一刻も早くD2Cに舵を切るべし。
「インスタやってます!」
「インスタやってないけどLINEはやってます!」
これは先日池袋で開催され、7万人を集客したニッポン全国物産展でのお客様とのやりとりの一部です。
当社クライアント企業の新ブランドお披露目、この物産展でリアル売り場でデビュー。単に現場で物販をするだけでなく、インスタフォローもしくはLINE友達登録で特典を用意して臨んだところ、約9割のお客様がフォローまたは登録をしてくれました。
リアル初出店における、このクライアント企業の最終的な狙いは何か?
それは・・・D2Cビジネスモデル構築への足掛かりづくりです。
D2C(=ダイレクト・トゥ・コンシューマ)という言葉、ビジネスモデルを知っている方も多くなってきました。アメリカからやってきたビジネスモデルですが、当コラムでも3年前くらいからD2Cモデルに着目し、幾度か書いてきました。
当社クライアントの多くは当然ですが、ギフトマーケットおよびECを中心とする通販でのブランド開発、商品開発、販売の拡大を目指して指導を受けていただいています。
クライアントによって、扱う商品ジャンルによって、すでに持たれている販売チャネルや企業特性によって、その特徴の活かし方で、進め方の違いは千差万別あるのですが原則的には自社での販売完結を目指していただいています。
卸販売や大手ECモールなど他社の力に依存せずとも、自社ECや自社店舗で直接消費者に販売するD2Cモデルの構築です。リアル店舗だけの場合では投資額が大きいため、まずは自社ECから構築し、その延長線上でリアル店舗展開まで見据えるというものです。
その逆で、すでにリアル店舗を持っているクライアント企業については、自社ECとの紐付けからの相乗効果拡大を目指していただいています。
最も重要なのは、リアル店舗とECを切り離さず、シームレスに繋げることです。
なぜ、重要なのか?
例えば、先の物産展のような売場に訪れて買っていただけたお客様を、ただ単に「お買い上げありがとうございます!」と言って帰してしまっては、商品を気に入ってまた次に買いたいと思っても買い場がないわけです。
「いや、ネット販売もしていれば期間限定ショップの場合でも後で買えるでしょう。」
ごもっともなのですが、わざわざネットで探して買っていただける場合はごく稀ですし、いつECサイトに訪れてくれるか分からないお客様を待つしかないのです。要するに先が読めない。
リアルな売り場でSNS登録いただけるとフォロワーになっていただけます。もちろんお客様個々の熱量はフォロワーになってもらっても様々ですが、売り場では見かけなかったEC販売限定商品を案内することも可能ですし、ギフトのシーズンイベントの販促も出来ますし、新商品の紹介や、実店舗でのイベント案内も可能になります。
販促のみならず、顧客とのコミュニケーションとして例えば地元の花火大会などのイベント情報なども提供したりもできるようになります。
単に物販をするだけなら直販。
D2Cビジネスモデルは、顧客とコミュニケーションをSNSなどネットを介しながら販売促進するモデル、ネットでも実店舗でもどこでも買える、利便性の高いモデルなのです。
多くの方がご存知の企業例として挙げますと・・・
・成功している企業=ユニクロ(店舗でLINE登録させていてEC販売率が急上昇)
・目指している企業=NIKE(今後徐々に卸を95%やめてD2Cに舵を切る宣言をした)
・ECやSNSから始め実店舗へ広げ成功している企業=オールバーズ(アメリカのSDG’sスニーカーブランド 日本にも上陸中 原宿・丸の内に実店舗)
ここに挙げた例は有名企業や規模もすでに大きいですが、すでに有名か大企業かは関係ありません。なぜならすでに大手企業の場合、実店舗とECが事業部で分かれていて繋がっていないケースが多く、形式だけはD2Cを目指して・・・と言っていたりしますが遅々として進んでいないのが現状です。
先に挙げたユニクロはご存知の通り、カリスマ経営者・柳井さんがいますので一気にコトを運べますし、NIKEもCEO自らが強力な推進力で進めています。オールバーズに至っては大手資本では全くなく、ベンチャースタートです。
組織が小さい、トップダウンしやすい企業の方が、実はD2Cモデルは推進しやすいのです。にも関わらず、7万人もの来場者があった池袋の物産展において、SNSを活用した販売事業者は100を超える事業者さんを見た限り、当社クライアント企業以外では皆無でした。もったいないなあと・・・。
次回の当社セミナーは、翌年2月ギフトショーでの招待セミナーが最新です。このD2Cモデルの有効性も絡めた内容を中小企業経営者・経営者層だけに向けてお伝えしますので、どうぞ今からご参加ご予定ください。
待ちきれない!という方には、個別相談スポットコンサルティングのご用意もありますのでどうぞご利用ください。
コロナ影響、急速な円安、戦争など、世の中は大きく動いています。売れ筋を追っかけているだけでもそれなりに売れた時代はもう訪れません。今、そしてこれからは自らのファンとともに売れ筋を作り出すのです。