• お気軽にお問い合わせくださいTEL : 03-6869-7085
  • 〒104-0061
    東京都中央区銀座 6-14-8
    銀座石井ビル4F

専門コラム 第203話 社長は今すぐ見つめ直さねばならない。何をどこを目指したくて、これからの商売をどう積み重ねていくのかを。

「当社は卸販売が主力ですが今後当社はどのような方向に向かうべきでしょうか。園先生のお考えを聞かせていただけますか?」

昨日、東京に本社を構えるN社のK社長、Y部長とオンライン相談させていただいていた中でのご質問です。

私はこのようにお答えしました。

「当社的にはぜひD2Cモデル(消費者と直接繋がる)を、特に中小企業では目指すべきと思っていますが、卸1本でも構わないし、卸に直販を絡ませてもいいし、実店舗とECを絡ませてもいい。」

「御社がどこをどのように目指したいのか?どこに到達させたいのか?を明確化することによって、足元でやるべきことが見えてきますよ。」

まあ、このように口で言うのは簡単かもしれません。言うは易く行うは難しです。

しかし、市場に出れば多くの競合他社や大企業とも渡り合わなければなりません。

「いやあ、うちは中小だからそこまでは・・・」なんて言い訳をしたところで突破口は決して開かれません。根幹の部分をこれでもか!というくらい考えに考え抜いて突き詰めていかない限りは。

なぜ、それほどまでに突き詰めることがそこまで大事なのか?

その根幹部分とは何なのか?

特に生産者やメーカーは、どうしても目に見える、自分達の自信作である目の前の商品が売れるのか?売れないのか?で悩まれることが多い。もちろん最低限、品質や機能、安全性が高くいいものを作る技術をお持ちの生産者や企業はこの日本において、たくさんいらっしゃいます。

また作ってしまえば、売るしかないわけですが、商品を作る前によく考えていただきたいことがあります。先に書いたようにご相談の中でも申し上げた、”どこをどのように目指したいのか?”“どこに到達させたいのか?” です。

売上や利益目標のことだけではありません。今この日本を取り巻く経済環境、社会状況の中で、出せば黙っていても売れるものなどどこにも存在しません。それがたとえ自慢の、自信ある商品であってもです。

世界中が繋がる今のネット社会において、1億総スマホ携帯時代において、昭和の時代のようにいいものさえ作れば売れる時代ではないことは誰にも分かることです。一方で、分かってはいるけど具体的にどうすればいいのか?が、分からないのです。

ひとつだけ言えるのは今の時代、”共感” なくして売れることはない時代だということです。

マーケットやターゲットの違いで、この”共感 部分は変わります。値段の安さに共感されるマーケットもあるでしょうし、ボリュームが多かったり、機能が優れていることに共感されるマーケットもあるでしょう。 

しかし、これらのような部分に共感を得て勝負できるマーケットは、十分な投資も生産も可能な一部の大企業が支配する、マス向けのマーケットなのです。こんなところにうっかり中小企業が単純に乗り込んでいっても、そのマーケットで勝てる要素はほぼゼロに近いでしょう。

中小企業が勝ち抜くためにはいかに「自身のマーケット」を「自らの価値で切り開く」か。これしかないのです。

そのためには先に申し上げた”共感” を、直販であれば消費者に対して、卸であれば取引先に対して得なければなりません。今の世の中に対し、企業として、またその企業が産み出す独自の自社ブランドと商品は、どんな価値を世の中に、人々に提供するのか?できるのか?ここに尽きるのです。

別にニッチな市場を狙ってほしいと申し上げているわけではありません。競合ひしめく大きな市場でいいのです。ただし、条件があります。

徹底的に考え抜かれた、オリジナル性が高く、クオリティも高く、メッセージ性が強い、そこに集まる ”共感” を大事に積み上げ、育んでいけるものであること。これが様々な商品開発やマーケティング施策を打つ前に、持っておくべき根幹部分です。

この根幹部分さえしっかりと作られれば、あとはそこにしっかりとした枝葉と実を実らせるよう水を毎日欠かさずに撒き、栄養を与え、最後に大輪を咲かせればいいのです。

当社ではこの根幹部分を作ることを真っ先に最も強く指導させていただいているのですが、このような大事なことであるにも関わらず、日々の仕事に追われ、数字に追われ、いや流されている方もいるでしょう。根幹をしっかり考えずに日々を過ごされている経営者の方もいらっしゃいます。

何をどこを目指したくて、今の商売を積み重ねていくのか。

それをどう考え、どう作って進めばいいのか?

悩まれていらしたら、ぜひ当社の門を叩いてみてください。熱い経営者の方との出会いをいつでもお待ちしています。