専門コラム 第140話 社長、EC・ネット通販に本気で臨むなら、勇気を持って「決断を!」。
本日2月10日(水)午後1時〜、私はある地方の商工会議所様からの依頼を受け、オンライン基調講演のスピーカーとして登壇します。
この日設定した講演テーマは「新しい販売チャネル ネット通販の世界と活用法」。
この商工会議所に属されているご参加者は約50名と、かなりの盛況ぶりです。
事前に業種だけが記された参加者リストを拝見させていただくと、農業法人、飲食業、化粧品、ファッション雑貨、旅館業、アパレル、食品卸売、健康器具、アパレル、洋菓子、アロマ、履物、医療、就労支援など様々な業種からですが、他にも経営コンサル、金融まで幅広くいらっしゃいました。
コロナによって生まれたリスクヘッジ対策、巣ごもり需要からどのような業種でも、都会も地方も、今、EC・ネット通販は大注目の販売チャネルです。
このEC・ネット通販参入や拡張・拡大に対して今、様々な業種業態の経営者の”決断”が求められています。
当社は創業からまだたった6年半ほどですが、その僅かな期間でも毎年のように様々な決断を繰り返し、経営を進めてきました。
経営をして最も実感したことは、常に先行投資が必要で、前進するためには様々な場面で決断を下すことが求められる・・・でした。
社長の仕事の9割は ”決断” と、私が言わずともよく言われますが、大きな決断時には特に期待より不安が大きく思われ、その決断には “勇気” が必要ですよね。
話は戻りますが、今まさに行っている講演の中で、私はこう話をしているでしょう。
「社長、ぜひ今日を機にネット通販の世界へと舵を切り出す”決断”をしてください!」と。
私がその道の専門と言うだけで、決して無責任な発言をしているつもりは毛頭ありません。
舵を切り出す決断をしてほしい理由が、私の中には明確にこうあるからです。
今日のネット販売という業態が始まってから20年になるにも関わらず、なぜ今さら大きく注目されているのか?
先にも申した通り、コロナ禍で巣ごもり需要が大きくなった、新たな販売チャネルでのリスクヘッジが必要では?というのが一番です。
ですが、すでにコロナ前でも、1億総スマホ時代になっていること、向こう5年10年、果てはその先をどう考えてもネット利用に拡大が続くことはあっても、縮小は考えにくい。
その証拠にここ20年の間、ネット経済圏は右肩上がりで膨らみ続けており、年配の経営者でさえ、これまではガラケー使っていたり、パソコン仕事は若手社員に任せていたものを、今では自らもスマホを持ち、使いこなすようになり、その便利さにも気づき、ビジネスでのIT利用・応用まで考えられるようになりました。
ネットなんて売れない、ECって何?、IT戦略って本当に必要?みたいことを言っている時代ではすでになく、都会も地方も関係なく、企業の大小の規模も関係ありません。
WEBサイト一つしっかり作れていない企業に対し、消費者は見向きもしてくれない時代になってしまっていることを強く理解しておく必要があるのです。
インターネットの無かった時代に小売商品を売ろうとすると実店舗を出すか、実店舗をやっているところに卸す、無店舗販売と言えば訪問販売しかありませんでした。
その後、物流が進み宅配便が登場し、通信販売=ダイレクトマーケティングという新しい流通手法が欧米から入ってきて、チラシ・カタログ・TV・ラジオなどメディアが売り場となり、人間の代わりに受注を獲得する営業マンになりました。
そして西暦2000年頃のインターネットの登場です。
ネットの登場によって通販の世界に新たなメディアが出来、今やネット販売を一度も利用したことがないという人を探す方が困難なほどに浸透し、チラシ・カタログのような紙媒体が中心であった通販会社は上場していた企業でさえ、その大半が市場から後退していっています。
これが何を意味するのか。
従来の通販→インターネット通販への転換は容易ではないことを意味しています。顧客属性や購買行動も違えば、マーケティングの手法も、売れる商品の特性も違う場合もあるということです。
だからこそ中小・零細にもEC・ネット通販でのチャンスは大きく広がっていると言えます。
実店舗の場合は出すのも、維持するのも経費は大きく掛かりますし、もし閉店する場合でも経費は大きく掛かります。
一方、ネットショップの場合、出店経費も維持費も実店舗に比べれば遥かに安く、閉店の場合はネットから取り下げるだけなので費用はゼロです。
その分、どこに対し投資が必要かと言うと、無数にあるサイトの中から訪問してもらうための広告宣伝費=ネット営業経費であったり、EC人材の確保。
EC人材確保が難しければ、社員スタッフのEC能力の向上。それも難しければアウトソーシングの活用というのも、今ではとても賢い選択肢です。
簡単に誰もがネットショップを開ける時代にはなりましたが、成功するには甘い世界ではありません。
成功と言えるほどに至るまでの道のりには、1年や数年掛かかる場合も当然ありますが、チャレンジなくして成功もないのですから、参入・拡大への“決断”は素早くです。
社長、今の時代、これからの時代に置いていかれる前に今「決断を!」。