専門コラム 第161話 すべてのビジネスの大命題「売れる」とは一体どういうことなのか?
「園さんのおっしゃる通りですね!その線で進めるよう私からスタッフに直接伝えます!」
今からおよそ6年前、ジャパネットたかた長崎本社であの高田 明氏にお会いし、当時進められようとしていたある事業に対してプレゼンをさせていただく機会がありました。
出演されていたTVショッピングの現場や、髙田氏のビジネス書などから多くのことを高田氏から学んでいた私にとって、ビジネスの場面でとはいえまさに夢のような時間で、しかも当時起業したばかりの私の提言をあのレジェンドに受け止めていただけたことは一生忘れません。
そして先日の日経MJに、私が心より尊敬し多くのことを学ばせてもらった髙田氏への取材記事が掲載されました。記事のタイトルは『「売れる」の法則 達人に聞く』。
売れる・・・というどんなビジネスにも共通する大命題へのアプローチ、考え方を真正面から語られていました。
・商品は時代の変化を映し出す、これからはESG(環境・社会・企業統治)を意識した商品でなければ支持されるのは難しい
・忘れてはいけないのは「この商品を買って嬉しかった」「食べてみて美味しかった」といったお客様の感情に訴えること
・自社の商品の可能性を見落としているかもしれない 提案力を磨くことで既存の市場を大きくすることはできる
・価格は高いか安いかが重視されがちだが、支払い価値を重視してきて「購入した価格以上の価値を感じられた。衝動買いして良かった」と喜ぶ方も多かった
・誰から商品を買うかを日本の消費者は大事にする 自分の言葉が消費者と共有されていることが重要
・コミュニケーションは人間にとって最も大事な感性 人工知能が進化しても人と人をつなぐコミュニケーションはなくならない
・商品を伝える人間が、その商品を熟知できているかが重要 インプットの量を精度高くどれぐらい増やせるかがアウトプットの質と量を左右する
・消費者は企業が商品の魅力を本気で伝えようとしているか?自分たち(消費者)のことを理解しているのか?を厳しく見ている お客様は心の目で商品を見ている
・ECでのライブコマースは日本でも定着していくが中国ほど盛り上がらないのでは 日本では慎重に商品を確かめ、信頼できる小売業から買いたい消費者が多い
この根底の考えはずっと昔から現場でアウトプットされておられ、時代はいくら進んでも”伝えること=伝えられれば売れる”ことは、これからも人間が人間である以上、変わることのない普遍的な考えであることを今一度、再認識しました。
さて、当社の使命はクライアントの事業が成功することが大命題です。だからこそ当社の社名に「売れる」を入れています。
コンサルティング会社の社名に「売れる」と頭に付けることには命名当時、深く悩みました。世の中には、無数の商品やサービス、マーケティング施策、営業施策などの販売手法、様々なメソッドやノウハウを記したビジネス書などが溢れかえっていますが、確実に絶対に100%”売れることが約束されるものは何一つない・・・といっても過言ではありません。
そんな中で相当な時間、思い悩んだあげく当社名にあえて”売れる”という言葉を冠したのか?ですが、これは信念とも言うべき以下の理由からです。
・売れる=顧客に支持されること(対象が消費者であれ企業であれ)
・売れる=何もないところからでも、売れる状態に持っていくこと
・売れる=支持されるという結果を出すことで、初めてビジネスとして成果をあげられる
そしてこの”売れる”ためには、多くの準備と努力が必要です。思いつきだけの商品やサービスがごく稀にヒットすることもありますが、こういったことは宝くじを当てにいくようなもので、多くの経営者の方々がよくご理解されていることでしょう。
長く続くビジネスとするためには、たとえ少々売れても歩みを止めず、常に前身し続けること。一方でやみくもに進んでも決してうまくはいきません。
何より売る前の、臨む前の”準備”が最も大事です。
何も武器を持たずに、丸腰で戦争にいって敵を倒せるでしょうか?
何のトレーニングせずに、何の得意技も持たずにオリンピックで勝てるでしょうか?
ビジネスでも同じことで売れるにはまず、市場で闘わねばなりません。そのための準備、トレーニングも必要で、強力な武器も必要ですし、それを活かすための戦略も必要です。
その強力な武器を当社では「ギフト商品およびギフトブランド」と定め、市場に対し、消費者に対し、顧客に対し、どのようなギフト商品を、どのような人に、何のために出すのか(社会的意義を含めて)を、企業の持つ強みや特性、得意なことに照準を当てながら、長く続くビジネスへ繋がるように、入口戦略から出口戦略まで指導させていただいています。
売れる=儲かる。これはあくまでも戦ったことから得られる結果です。
季節は夏も終盤に差し掛かり秋が来ます。これから年末商戦に向かっていきますがその前に、
あなたの「売れる」を、ぜひ深く考えてみてください。