専門コラム 第35話 「通販売上拡大のための大手流通ギフト活用策、その効果は?」
先週、当社クライアント経営者から、いつものご相談とともに、このようなご報告もいただきました。
「園さん、あるお客様より〇〇百貨店サイトの父の日の特集でウチの商品を購入され、とても美味しかったので、また注文したかったのですが、そこではもう扱っておらず、どこで買えますか?と、嬉しいお問合せをいただきました!」
百貨店や流通企業などに、ギフト食品の卸販売をされている企業であれば、こういったお声をいただく機会は、多かれ少なかれ、ご経験がおありでしょう。
各クライアントの販売スタンスや、目指すブランディングの方向性にもよりますが、当社ではできるだけ、卸販売も大いに活用すべきとお伝えすることも多いです。
なぜならこの効果・活用は、売上拡大もありますが、ほぼ無償での「大・宣伝効果」を他社の土俵で堂々と、Win-Winで得られるからです。
コラム冒頭の話しを伺ったクライアントは、BtoBにまず特化して、当社の指導のもと、たった1年で大手流通を中心に20社以上での採用を成功させた企業です。
もちろん、この卸販売での売上自体も大きく伸ばされたのですが、大手を中心とした外部での露出が高まれば高まるほど、自社サイトへの訪問、購入も知らず知らずのうちにかなり増えてきたのです。流入経路や、正確な数字まではここではお伝えできないため、その点は誠に申し訳ないのですが。
昨今、リアル店舗のショールーム化が問題になったり、そこを逆手に取ってあえてショールームにしてネットで注文・・・のようなスタイルも生まれてきていますが、紙カタログでも、どこかで見られた方や実際に購入された方が、ネットで検索し、商品提供を行っている販売者や製造者のサイトに直接来られているのです。「カタログ、Webサイトのショールーム化」も物販の世界では起きている現実があります。
沢山のギフトカタログを発刊する会社は、今では郵便局、大手コンビニ、大手スーパー、大手ギフト会社、大手百貨店など限られてきましたが、衰退の一途をたどっている大手通販カタログほどの衰退まではなく、特にお中元やお歳暮といったビッグイベントでは、季節催事性も必要なため、まだまだ多く配布されています。さらにカタログに掲載されたアイテムは、その流通企業のWebサイトにもほぼ自動的に掲載されます。
たとえ、各社に採用されても、各社ごとの仕組みがあったりで確かに面倒なことも多いのですが、どこのカタログにも載っている!どこの大手流通Webサイトにも載っている!というのは、たとえそこでの利益は少なくても、自社でWebサイトを持ち、通販を行っている会社にとって、全国へ、沢山の方への露出としては、非常に大きなものになります。
例えば、郵便局。ここの物販カタログにも当社クライアントは採用され掲載があるのですが、郵便局はご存知の通り全国2万4千局です。そしてここで発刊される物販カタログは最大で、200万部です。
全てのカタログが目を通されるわけではないので極論ですが、仮に200万部=200万人が見るとすれば・・・。一口に200万人といってもピンと来ませんが、5万人収容の東京ドーム、40日間連続で満員御礼!の人数と言えばイメージしやすいのではないでしょうか。すごい人ですよね。
また、この数十ページもの紙カタログを200万部も配布するには、少なく見積もっても1~2億円の媒体制作・印刷・配布コストが掛かります。多くの中小企業ではとても簡単に出せる広告宣伝費ではありませんが、商品さえ採用されれば、この1億円の広告の一部ですが乗っかることができます。
まして、検索で簡単に商品比較ができるパソコンやスマホといったネットのデバイスと違い、紙カタログの優位性は、カタログの中でしか見比べられない点で、じっくり見ていただけることも優位でしょう。
現在どの大手流通企業でも、特にギフトにおいてはイベント性が強いため、目新しい商品を常に探しています。ただ、欲しがる利益率はどこも厳しく、商品の安全性も強く求められるので、その点は十分考慮・配慮した商品設計は必要ですが、自社だけでは得られない宣伝効果としては、とても大きいものです。
あなたの会社では大手との取引に際して、売上・利益だけに視点がいっていませんか?
自社通販事業拡大のために、ギフト卸にも取り組んでみませんか?