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専門コラム 第6話 「売れるためにいい”製品”ではなく、いい”商品”であることの大原則」

 

私はギフト・通販の業界でこれまで2,000社以上のメーカーや商社、その商品を販売される多くの経営者と関わってきました。

現在ではコンサルタントとして、前職ではマーチャンダイザーとして、一番に何を通じて関わってきているか。それは数え切れないほどの様々な「商品」を通じてです。ですので、商品に対する様々なアドバイスを求められることは数多くあります。

 少し以前ですが、当社に相談に来られた食品メーカー経営者から売価設定についてご相談を受けました。

「園さん、通販で販売するギフト商品の開発ができました。ブランド価値も付けており、品質にも自信あります。、9,980円の上代設定で卸販売しかけようと思うのですが、値段は高いでしょうか?」

「(商品を見て)価値的に問題なくいいと思いますが、卸価格はいくらですか?」

「7,000円くらいがいいかなと思っています」

「なら卸価格はそのままに・・・14.000円上代で卸先に案内をしてください。それなら販売先の粗利は50%になるので、一生懸命売ってくれます。」

この後、クライアントとなられた会社様ですので、内容について詳しく明かせませんが、競合商品の価格帯は5,000円が中心~10,000円が最上位くらいです。

いきなり1.5倍の上代を言われ、恐らくは半信半疑ながらもご賛同をいただき、多少のブラッシュアップを施して販売を開始。採用される販売会社がいくつか現れ、高額商品にも関わらず、発売開始から2年ほど安定して通販ルートだけで通算1,500個以上も販売されています。

今では、その高額品をフラッグシップと位置付け、競合商品の価格帯へも新商品での参入を、さほどの営業力も使わずにより多くの販売会社で採用され、大きく実績を積み上げられていっています。

 中小メーカーの多くは、社長自らや役員など経営層自らの発案から商品が作られていて「今まで以上にいい商品が出来た!バンバン売るぞ!」と社内で大号令が掛かり、社長自らや営業マン達が、販売先に猛プッシュを掛けて、営業されていきます。

しかし多くの場合、商品は確かにいいのに社長が思い描くほどに売れず、無理やり?!飛ばされた営業マンが疲弊していくような姿もよく見受けられます。(ごくごく稀に、いきなり売れるものもありますが・・・)

 なぜ社長が惚れ込む”いい商品”が、営業の現場で売れない採用されないのでしょう?

一番の理由は、「商品」と「製品」を混同されていることに大きく起因しています。それは私が、マーチャンダイザー(バイヤー)職の時に、商談の席や展示会などで最も感じていたことです。

メーカーは、モノづくりが仕事ですので「製品=作った品」は出来上がります。しかし、自社直販であれ卸売であれ、売る段階になれば「商品=商いの品」に変わります。

製品も商品も中身そのものは変わりません。シンプルに申しますと、中身の製品+ネーミング。ここまでが製品と言えます。

では、「商品=商いの品」とするためには何が必要か。

①利用価値はどこにあるか

②どういったお客様の利用を想定しているか

③どういったシーンに利用して欲しいか

④商品や企業の開発ストーリーはあるか

⑤ふさわしいパッケージデザインか

⑥価格設定(上代・下代)は適正か

                 ・・・など

価値を伝えることための様々な視点・要素が入り、それで初めて自慢の「製品」の魅力を高めた「商品」になり、販売先へ魅力あるものとして案内するための、スタートラインに立つことができます。これはどのマーケットでも同じことが言えます。

私が関わるギフトや通販業界での商談では、①~⑤までは、まずまず出来上がっている商品に出会うことも時折ありますが、採用されるために最も重要で大きなハードルが、⑥の価格設定です。

採用して欲しいと思っている会社(営業先)の利益確保がままならないような上代・下代を設定されている中小企業メーカーが、本当に多いのです。

どんな優れた商品でも、販売側が儲けられない設定では、どんな会社も採用に二の足を踏みます。「商品すごくいいのは分かるが、仕入価格が・・・」といった具合に。

卸販売=どこかの会社に販売を委ねること=自社(メーカー)の販売力を補ってもらうことです。

自社だけで売ることだけでなく、卸売も前提にするならば、想定される販売先のビジネスモデルに合わせた価格設計を前もって行っておく必要があります。

提案後に価格が高いと言われてから自社の利益を削り、卸価格を無理に下げるのでは当然疲弊しますので、大事なことは、少し高いかなと思うような上代設定でも、相手が納得するくらいの価値を高める工夫を施してくださいと、当社ではその手法や市場の見極めなども含めて、指導をさせていただいています。

売れますよ!と案内しても、相手先は本当に売れるかどうか実際に採用しないと分かりません。粗利があれば、売れれば儲かりますので、採用してみようかとなりやすいのです。粗利がなければ、たとえ売れそうでも儲からないから採用しないという、極めてシンプルな思考です。

採用がされやすくなれば、営業効率は格段に上がるので、販売に際してのコストが圧倒的に安くなります。よって営業マンをたくさん抱える必要がないのです。

そのために大事なことは再度申し上げますが、「製品=作った品」ではなく、価格も含めた「商品=商いの品」にまで持って行くことです。

 ギフトの通販は価格設定面では、自分向けの通販よりも有利です。ギフトは値段が安いから贈ろうとはあまりなりません(中元・歳暮などの儀礼的なギフトでは一部ありますが)。購入予算が元々あったり、贈りたい価値のある商品魅力やサービスを見出してから贈る予算に合うかが、購買行動の大きな決め手になりますので、比較的高めの価格設定をしやすいのが、ギフト販売のチャネルです。

 メーカーで作られる製品は、他社100%模倣でない限りはオリジナルです。発売前であれば、いくらの値段をつけるのも自由ですので、その上代にふさわしい、かつ販売を委ねる先の利益が確保する設計を、商品開発当初から逆算し、磨いておくことが、卸売も含め自社商品の利益も大きく変え、互いにwin-winを生み出していきます。

あなたの会社では、製品でなく、商品になっていますか?

相手先が売りたくなる利益を与える価格設定になっていますか?