専門コラム 第102話 優れた事業や売れる商品は、どうやって生み出されるのか?
この3月で当社は5期目が終わり、気がつけば4月から6年目になります。早いものです。
何十年も経営されている方からすれば、まだまだ小僧だなあと思われるかもしれませんが。
起業を決めた創業の半年前、まだ何の事業を行うかは模索中でした。
そんな中、 ”コンサルタントの道を歩む!”と決めた大きなキッカケとなったのは、ひとつのプレゼン動画を見たからでした。
ご存知の方もいらっしゃると思いますが、イギリス出身で、モチベーションコーチ、コンサルタント、著述家、講演家であるサイモン・シネック氏の、有名な※TEDのプレゼン動画です。
※毎年大規模な世界的講演会「TED Conference」(テド・カンファレンス)を開催(主催)している非営利団体 wikipediaより
プレゼンタイトルは「優れたリーダーはどうやって行動を促すか」。
タイトルだけを見れば、ビジネスに直結しているようには聞こえませんが、中身はビジネスにも大きく直結しており、実にシンプルなのに実に奥が深く、大きな感銘を受けました。
プレゼン自体は今もYouTubeにもアップされていますし「Whyから始めよう」というタイトルで書籍にもなっていますので、詳しく知りたい方は私が語るより、ぜひそちらをご覧ください。
極端に要約すると、シネック氏がプレゼンの3年半前、答えを見つけたと言う”ゴールデンサークル”の中心が人々の購買行動や、様々な活動を促しているのだ・・・ということです。
事例では、アップル社、ライト兄弟、マーティ・ルーサーキング牧師の成功には、共通点があると。
そのゴールデンサークルの構成は下の図です。
簡単に言いますとWhyは、理念・大義・信念・ヴィジョン。
Howは、Whyを伝えるための手法。USP(独自の強み)であったりマーケティング活動であったり。
Whatは、Whyを元に、Howを通じて生み出されるプロダクトやサービス、目に見える行動など。
この中で私たちが目聞きするものは、WhatやHowなのですが、Whyは感じるものだとシネック氏は生物学の観点、脳の働きも用いて言います。
人々はWhyを感じるからこそ、Whatを手に入れるという行動に出て、その行動の結果としての利益を得るという構図です。
企業側、提供側からすると多くの場合は、目に見えやすいWhatやHowから入ってしまうことが多く、シネック氏も指摘していますが、私自身も本当にそう感じます。
例えば、販売するモノが加工食品であった場合、Whatからの説明になりますと
「ウチの商品は老若男女、どなたにとっても美味しくて体にいいんです!(What))。
↓
「選りすぐった自然調味料だけを使い、素材の味を最大限に活かしています(How)。」
↓
「私たちの想いは、お客様に笑顔になってもらいたい、健やかな毎日を幸せに過ごしていただきたいことです(Why)。」
シネック氏も指摘していますが、このようなケースが圧倒的で多くの場合、Whyまでも行かず(明確にもなっていない)、目に見えるWhat(モノ)とHow(スペック)に終始してしまいます。ユーザー目線からだと押し付けられている感じがしませんか?
ゴールデンサークルのようにWhy→Whatへと向かうと・・・
「私たちの想いはお客様に笑顔になってもらいたい、健やかな毎日を幸せに過ごしていただきたいことです(Why)。」
↓
「選りすぐった自然調味料だけを使い、素材の味を最大限に活かしています(How)。」
↓
「ウチの商品は老若男女、どなたにとっても美味しくて体にいいんです!(What))。」
全く同じことを言っているのにWhyからの説明だと、納得する感(ユーザー目線)を”感じ”ませんか?
対して、Whatから入ると、説得される感(企業論理)を感じませんか?
これを、脳が感じ取るフィーリングだとシネック氏は言われています。
先ほどのゴールデンサークル図の矢印のように、目に見えない内側のWhyから、人は感じ、購買行動や企業やお店、商品のファンになるのです。
人はWhatを買うのではなく、Whyを買うのです。Whatを支持したり信じたりするのではなく、Whyを支持し、信じるのです。
そしてアウトプットされるべき”What”は、“Why”への期待や信念に応えるモノやコトです。
全事業種、1次、2次、3次どんな事業、どんな製品、どんな商品、どんなサービス、どんな活動であれ、Why=なぜ、なんのために・・・がど真ん中、中心、基盤、トップにないと、何事も大きな成果は成し得ません。
最初の方に戻ります。
私がなぜこのプレゼンを見て、コンサルタントの道を選んだのか?は、以下のように自分の中で考えを落とし込めたからでした。
Why 会社組織の中でより、もっと広い世界で自分が社会の役に立ちたい、立てることを目指したい想い
How 長年培ってきた独自のギフトや通販のノウハウ・知識・見識を、リソースに困っている中小企業に役立ててもらう
What コンサルタントとして独立し、コンサルティングの提供、セミナーの開催、コラムの発信、著書を発刊する(著書発刊は起業当初の目標の一つでした)
これによって、当社企業理念である「日本全国中小企業発展の一翼を担う」目標:1万人から本気のありがとう!をいただく、の考えが出来ました。
あなたの会社のWhyは何でしょう?
それは明確になっていますか?
顧客に説明ができますか?
経営から細かい業務まで、なぜそれをするのかの理由=”Why ”は必ずあるはずです。
さあ、Whyから始めましょう!