専門コラム 第77話 600億円/400万個「おせち市場」、ネット通販にこそ勝機がある!
おせち料理を自宅で作る・・・。その光景は減り、買うことが当たり前になりました。
では、どこまで当たり前になってきているかご存知でしょうか?
2017年富士経済による調査で、おせち市場は600億円とのデータが出ています。
私自身のおせち販売経験からも実感として600億円は妥当と言えます。では、個数にするといくつか?
関わられている方には分かると思いますが、平均単価は15,000円程。600億円/15,000円で、ざっと400万個。独身世帯も含め4,000万世帯から考えると最低10軒に1軒は、おせちをどこかで購入している計算です。
そしてこの9月2日、ハースト婦人画報社の通販サイト「婦人画報のお取り寄せ」で実施した来年のおせち料理についての、動向調査結果が発表されました。
※ 詳しくは「婦人画報のお取り寄せ」サイトでご覧ください
https://www.hearst.co.jp/whatsnew/corp-190902-Otoriyose
そこから抜粋した、注目すべき点を挙げておきます。
・来年(2020年用)おせちを購入するか?
65.2%が、購入すると回答 → 過去4年で最も高い値に
・おせちを購入する場所
「通販・ネット注文」2018年 42% → 2019年 64%と、22ポイントの大幅アップ
百貨店などリアル店舗から、ネットが主戦場にシフトしている
・検討開始時期
10月以前に検討開始する人38% → 益々早くなっている
・おせちの購入予算
昨年から13%・約3000円 増加
2018年 平均21,613円 → 2019年 平均24,447円
富裕層が多い婦人画報の顧客のため平均単価は高い
令和として迎える初めてのお正月という特別感から?
そして、私がギフト通販として最も注目したのがこの結果です。
・おせちをギフトに
離れて暮らす両親や実家におせちを。ギフトで贈ってみたいという人が半数以上(51%)
意外に思われる方もいるかもしれませんが、おせちを贈る人は昔から一定量、存在していました。ですが、ここまでギフト利用したい人が増えた要因で考えられるのは・・・
自分で買ってみて良かった。結果、安心して贈り物として使えることが分かった・・・ことではないかと推測します。
おせちそのものの品質の向上、崩れないお届け状態、30日や31日に必ず届くなど、原料〜製造~出荷~着荷に至るまで、メーカー、販売、宅配が三位一体となって長年に渡り努力を積み重ねてきた結果「ギフトとしても利用したい」に繋がってきていると見ています。
一方で、ギフト利用を即すような販売サイトやカタログを、ほとんど見かけません。
ギフト利用を即すことで、自分の家には絶対1つは必要なので、ギフト利用があるともう1個となり、客単価15,000円が、倍の30,000円になる訳です。
どう伝えれば、ギフトとしての利用促進が出来るか。ネット販売であれば今からでも遅くはありません。おせち販売を手がけられているお店、企業はぜひ今年、おせちのギフト需要も取りにいってください。
ギフトでご満足されれば、自宅用で買ったおせち以上の価値をお客様はお店・企業に感じてくれるはずです。