専門コラム 第5話 「利用シーン見極めがギフトの大原則、市場の可能性があり続ける理由」
年末商戦も真っ盛り、いよいよ小売業にとっては決戦の12月に突入しました。皆さんの会社も、さぞお忙しくされていることでしょう。
ネット通販では楽天が12月2日からスーパーセールをを開始。Amazonは8日からサイバーマンデーセール開始が控えています。リアル店舗でも年末一色ですが、この時期の代表的なギフトイベント言えば、クリスマスとお歳暮。
近年、需要が減っているとはいえ、それでもまだまだシニア層の購買を中心に、歳暮マーケットは、推計で1兆8,000億円の大きな市場です。先日も都内百貨店の特設会場を見てきましたが、沢山の人で溢れかえっていました。
ここ数年来、冬ギフトやウィンターギフトという呼び方をしたり、「自分も買いたくなるお歳暮」といった秀逸な謳い文句のギフトカタログが登場したり、歳暮以外の需要も掘り起こしたい、中元や歳暮という昔ながらの言葉が衰退してもビッグイベントとして残したいという、ギフト市場での企業努力がそこにはあります。
クリスマスはギフトも含み7,000億円の市場規模とも言われていますが、これら大きな数字はさておき、より身近なギフトからシーンへの考察をしてみたいと思います。
というわけで、一番身近な私と私の家族!の2017年、この1年の間にギフトを贈ったものを振り返り、記してみます。
※()内は購入チャネル
1月 お年玉(現金)・就職祝い(現金) 3月 夫(自分)誕生日(ネット通販) 5月 母の日(ネット通販)・出張先へ手土産(店舗) 7月 家庭教師へ謝礼(店舗)・出張先からの手土産(店舗) 8月 旅行のお土産(店舗)・友人のバー開店祝い(店舗) 9月 息子誕生日(ネット通販)・親友の誕生日(店舗)・出張の手土産(店舗) 10月 父の誕生日(百貨店) 11月 親友の誕生日(店舗) 12月 妻誕生日(ネット通販)・複数仕事先謝礼(BtoB通販)・妻クリスマス(ネット通販)・息子クリスマス(ネット通販)・夫(自分)クリスマス(ネット通販)・香典(現金)
覚えているだけで年間20回を超えるギフト利用がありました。これらの中にはお返しを頂いたものも、いくつかあります。
私の家庭は、妻、子供1人の3人家族です。私の方に母、妻の方に父がいます。私が特にギフト通販の専門家だからギフトが多い訳ではありません。もっと多い人もいらっしゃるでしょう。普通に生活していて、振り返るとこんなに沢山のギフト機会があり、自分自身でもビックリしているくらい。
購入チャネルは特に意識していませんでしたが、家族への贈りものは私も妻もネット通販利用が多いですね。
皆さんも今年1年、どんな贈りものをしたか、ぜひ振り返ってみてください。特にご家族をお持ちの方は、私のように意外と多いなあと思われるかもしれません。
ギフトが利用されるシーンというのは、結婚や誕生日などの記念日、お歳暮や内祝いなど儀礼的なものから、結婚や誕生日などの記念日、旅行の手土産、恋人・家族へのプレゼントなど、本当に色々とあります。
独身から結婚、出産から子供の成長、親戚や両親、職場、学校、友人などの社会的な付き合いなど、その人がどのような生活シーンなのか、どのように人や社会と関わっているかで、その機会の多さや内容が大きく変わってきます。
これにクリスマス、バレンタイン、ハロウィン、母の日、父の日などの季節イベントや、冠婚葬祭、各種お祝いやお返し、法人ギフトやノベルティなど、合わせますとその数は100種を超えるほどにあり、さらに新たなギフトシーンの需要を生み出すことも可能かもしれません。
モノやサービス、販売チャネルなどが変われども、古くから今も将来も、社会の中で人と人が関わる以上は、ギフトは欠かせませんし、無くなりません。売り方や見せ方、顧客分析などデータの活用などからの販売テクニックや、マーケティング活動も当然大事ですが、ギフトでは、利用シーンありきが絶対的な原則です。
あなたの会社で取り扱う商品やサービスでも、意外と気づいていないような色々なギフトシーンへの活用や可能性が、まだまだあるはずです。少しの気付きから新たなギフトシーン参入へ大きなヒントを得て、日常のありふれた商品から大きなギフト需要を喚起し、市場を築いている商品やメーカーもあります。
どういう風にお客様のギフト利用シーンに貢献する商品なのかサービスなのか、これまでの限定的なギフトシーンだけではなく、様々なギフトへの可能性を、2018年に向け、新たな販売シーン開拓を視野に、今一度見返してみてください。
今まで気づいていなかった大きなチャンスが、きっと見つかるでしょう。