専門コラム 第4話 「世界・日本・昔・今、”不の解消” は普遍的な絶対キーワード」
当社は一般的な通販とは似て非なる、ギフト通販の指導を専門としていますが、自己買いが主体の通販とも、ベーシックなマーケティングにおいて共通点ももちろんあります。先週、経営者向けセミナーに登壇させていただいた際、通販がヒットするキーワードについて少し触れさせていただいたのですが、その中から「不の解消」についてのお話しを書きます。
不の解消は、どのビジネスにおいても当てはまり、言い尽くされた感もありますが、おそらく100は超えるであろう不がつく言葉の中から、特に通販の世界では、昔から今も生きている普遍的な3大ワードがあります。
それをダイエット器具のTVショッピングを例にしますとこのようになります。(実在の商品例ではありません)
3大ワード その1【不安 → 安心に変える】
本当に痩せるのか?騙されるのではないか?この会社は大丈夫なのか?といった不安。
安心を与える・・・・有名タレントの起用、スポーツ選手など専門家の証言、使用しているお客様の紹介など
3大ワード その2【不便 → 便利に変える】
ダイエットのための運動は大変、忙しくて運動する時間もないといった不便さ。
便利なこと・・・・1日たった3分、お腹に巻くだけ、テレビを見ながら料理をしながら出来るなど
3大ワード その3【不満 → 満足に変える】
ダイエット器具は大きくて部屋に置けない インテリアを邪魔する、効果を実感できないといった不満。
満足いただく・・・・コンパクトでおしゃれなデザイン、1ヶ月で効果が実感できなければ返金保証など
これらの3大ワードにもっと売れるよう肉付けし、さらにたたみ掛けますがこれらにも不の解消が含まれます。
「二の腕用、太もも用もお付けして、気になる部分痩せが可能なセットに」→お腹周りだけの不満を解消
「旅行にも持っていけるスマートケースもお付けして」→家だけでしかできないという不満を解消
「これら総額10,000円相当分も含めて、なんとお値段そのまま!」→値段が高いことの不満を解消
「それどころか、本日中の注文なら5,000円引き!」」→値段が高いことの不満をさらに解消
「月々4,900円×3回払いもご利用いただけます!」→1回で支払うには高いかなという不安を解消
「さらに今すぐ30分以内の注文なら送料無料!」→送料が高いのではという不安を解消
「オペレータを増員してお電話お待ちします」→繋がりにくいのではという不安と不満を解消
「それでも繋がらない場合はWebからもご注文も可能!」→繋がらなくても大丈夫といった不安を解消
ここまでされると、今買わなければ損だと思わせますね。販売側ではコストも含めて商品、広告の設計と綿密な計算が全てなされているわけです。また、ダイエットや健康を謳う商品では逆にこの不安さを煽ることから始めることも多くあります。
このような肉付け部分は、コーション(Cotion=強い注意喚起)と言いますが、アメリカでも日本でもTVショッピングの世界では即座に購買決定を促すためのトドメを刺す強烈なマーケティング手法で、今も昔も変わりません。楽天などのネット通販でも少し形を変えてはいますが、大いに利用されています。ECでは、店舗で買う行為自体が不便で不満であれば、PCで家に居ながら、外出先でスマホを見ながら、自分の欲しい時、見たい時に買い物や検討が出来るという時点ですでに、便利と満足に変換されています。
ギフトの通販にも当てはまると言えます。安心を与えるために、有名人が監修、有名ブランド品、職人が手間暇かけて作り上げた一級品であること、商品を扱うモールや販売チャネルが有名店や有名モールであったり、商品がきちっと梱包された完全な状態で相手先に届くことなど。便利なことは、のし指定やメッセージカード、お届け日の指定など煩雑そうに見えることが簡単にできたり、相手先に満足いただくためには、おしゃれな包装紙や化粧箱、ラッピングが素敵、分かりやすい商品の仕様書が付いているというようなこともギフトの通販ではあるでしょう。
他にも不の解消ワードは多々あります。皆さんの会社の通販事業でも今一度立ち止まって、お客様に対して3大ワードも含めた「不の解消」の提供や、その解消がしっかりお伝えできているか見直してみてください。
せっかくできているのに伝えきれていなかったりして、意外なところで機会損失を招いているかもしれません。