専門コラム 第91話 ケーススタディから考察、ギフト商品開発で絶対押さえるべき5つのポイント。
クリスマス、お歳暮、大晦日、、帰省ラッシュ、お正月・・・。
早いものでもう1年が慌ただしく終わろうとしています。様々な小売業では最も稼ぎ時となる、忙しい時期ですよね。
今日はそんな年末恒例のイベントのクリスマス、その中でもプレゼント交換が発生する、クリスマス女子会からのお話しです。
私を今年2回に渡ってご取材いただいた ”通販通信-ECMO-“の最新情報からですが、近日、資生堂ジャパンから宣伝がてら??ではありますが、興味深いクリスマス女子会でのギフトに関するアンケート調査データが示されました。
クリスマスに女子会をしたことがある20〜30代(いわゆるF1層)500人に聞いた、プレゼント交換で「使わない、要らない」といった、「すれ違いギフト」を貰ったことがあるという人が約7割もいる、多発化傾向にあるという調査結果です。
回答結果はこうなっています。(複数回答)
・そういうのは好みじゃない「デザイン的すれ違い」74.6%
・デザインが尖りすぎている「芸術的すれ違い」 18.4%
・これで2つ目「ダブリ的すれ違い」 16.1%
・サイズが合わない「ピチダボ的すれ違い」 14.7%
・ハイセンスすぎて合わない「センス的すれ違い」 10.1%
70%強を占める「デザイン的すれ違い」は提供事業者も考慮して避けたいところですね。
ではどんなプレゼントならいいのか?(複数回答)
・コスメ 58.0%・ボディケア 50.4%・食べ物 48.8%・スキンケア 47.4%
・美容グッズ 38.6%・ヘアケア 31.4%・インテリア雑貨 28.8%
・飲み物(酒含む)26.8%・バス用品 24.4%・ファッション(小物含む) 23.2%
・ジュエリー・アクセサリー 21.8%・キッチン用品 21.0%・ステーショナリー 12.6%
・家電 11.4%・インナーケア 11.0%
彼氏からのプレゼントとは違い、共通の悩みや話題を持つ、同年代の女子会(主に独身と思われる)であることからコスメ、ボディケア、スキンケア、ヘアケアに人気が集中。ほとんど2人に1人が美容系はもらって嬉しいものとなっています。
ではこの女子会のギフト購入予金額は?
・1,000円未満 11.6%
・1,000円〜 2,000円未満 35.0%
・2,000円〜 3,000円未満 23.6%
・3,000円〜 4,000円未満 10.4%
・4,000円〜 5,000円未満 5.4%
・5,000円〜10,000円未満 3.4%
・10,000円以上 0.5%
・予算は設定しない 10.0%
1,000円〜3,000円未満合計で、55%強も占めています。
要するに「キレイにつながる美容アイテム」で、「デザインは尖りすぎず」「予算は1,000円〜3,000円」。
この結果を受けて、資生堂では同時に自社ギフト商品のPRも行っていて、“ザ・コラーゲン”ギフトBOX入りを紹介されていて、価格は1,750円と2,660円(各税抜)。
商品イメージはこれです。
内面からの美容なのでインナーケア製品と言えますが、コスメ・ボディケア・スキンケア・飲み物といったアンケート結果の上位要素も、確かに多く含まれています。
それと、この商品と価格を見て「貰ったら嬉しい」「パッケージも可愛いし、女子が喜びそうな成分が入っている」「美容でテーマが成り立ち、話題が盛り上がる」「クリスマスに綺麗になれるグッズは嬉しい」といった、ギフトとして好印象な商品だあることも見て取れたともしています。
私は、ギフトビジネスは常に「シーン・予算・誰に贈る」という消費者視点から組み立てる必要があると、常々言い続けています。
心理を逆算して “ギフトの仕組み” や “ギフト商品” を組み立てられるかどうかなのです。
このケースでは・・・
①シーン 20〜30歳までの女子クリスマス会で
②予算 1,000円〜3,000円のモノを
③誰に贈る 同性かつ同年代の友人に
ということになります。さらに・・・
④何を贈る 綺麗になれるモノ
⑤どのように プレゼント交換(手渡し)
が、加わります。
製品そのものはコラーゲンドリンクで価格=予算もピッタリ。これで①〜④まで成立です。
では、⑤どのように プレゼント交換(手渡し)の要素は何なのか?
そう、”デザイン”です。ドリンクの瓶(ラベルデザイン、形状)とギフトBOXです。
さらに手渡しですので、ギフトBOXを包む包装紙、しっかりした素材・紙厚の手提げ袋もデザインされていなければなりません。
もっと言うと、BOXの中にはおしゃれなデザインの栞や美容読本も入っていればなおさらGOODです。
このようにたとえ健康系や美容系でも、どんな商品でもデザインと工夫次第でギフト商品化が出来ます。
そして、真に消費者にギフトとして認めてもらえる商品にするためには、先の①〜⑤のどれが欠けても絶対にダメです。
ギフトを貰った人が感動すれば、次は誰かに贈ってあげよう!自分でも購入しよう!インスタグラムにあげよう!製品のサイトを見てみよう!となり、贈った人も貰った人も、双方がファンへと育ってくれるのです。
送料値上げや消費増税などもあり、価格競争の真っ只中にいては儲かりません。イコール、事業が成り立たないのです。そんな中、今の時代の流れを見ていて、私は”ギフト”のビジネスにこそ未来を感じられずにはいません。
お中元・お歳暮のようなダウントレンドだけに引き込まれていてはいけません!
さあ、来年は本気で独自のギフト商品を開発し、自分たちで価格を決めて、またはリブランディングをして、新たなるチャレンジ、新たなるステージへと向かいませんか?
次週水曜は元旦で当コラムはお休みします。また来年1月8日のコラムでお会いしましょう!
皆さん、どうぞ良いお年をお迎えください。