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専門コラム 第50話 「365日をビジネスチャンス化するギフト商品開発の極意」

 「ギフト」を商品開発目線から見ますと、自分用・自宅用で購入するものに対して、たとえその商品が日常品であっても、贈りものとして成立しやすいモノにどう仕上げるかがまず基本にあり、よりギフトとして見える商品の方が売上・利益面でも効果的です。

商材によっては自分用がそのままギフトとしても成立する、ヴィトンやティファニーなどの有名ブランドは別格としてありますが、それらは極めて数少ないものと言えます。

贈りものとして成立する商品にするというのは、日常品/自分用・自宅用を、非日常品/ギフト向けに変換するということです。ほとんどのギフト利用されている商品はこのパターンと言っても過言ではなく、この”変換”こそが、ギフト向けには必要となります。

例えばですが、出産祝いと出産内祝い(お返し)のシーンを想定してみましょう。

〈出産祝い〉

自分用/紙おむつギフト向け/おむつケーキ

自分用/肌着やベビーウエア    ギフト向け/名前入りの肌着やベビーウエア 

〈出産内祝い(お返し)〉

自分用/お米ギフト用/生まれた時の体重と同じ重さで名入れしたお米

自分用/バウムクーヘンギフト向け/名前入りのバウムクーヘン

夫婦・子供・親族・親しい友人などよりパーソナルが強い場合は、製品そのものやパッケージ、メッセージカードに名入れすることで、ギフト向け商品として成立します。

他にもよくある例では、母の日のカステラは表面に「お母さん、ありがとう」や「Thank You, Mothers Day」の焼印があったり、父の日のプレゼントだと、焼酎や日本酒のラベルに「お父さん、ありがとう」とされたギフト商品が人気だったりします。ケーキだと、ホール型のケーキにメッセージや名前入りのプレートを付けた瞬間に、誕生日ケーキになります。

このように日常品をちょっとしたことによって、非日常品=ギフト化することで、ギフトという販売シーンが浮かび上がってきます。

ギフト専門で事業を行われている場合は、名入れやメッセージカード、のし対応やラッピングなどのギフトに必要な対応を当然しっかりされているケースが多いですが、自分用・自宅用が販売の中心であった場合、なかなか全てのギフトに対応するのは煩雑で、難しい場合もあるでしょう。

ですが、何かのギフトシーンには向いているかもという商品が小売用商品を扱う企業やお店であれば、一つや二つはあるのでないでしょうか。全てのギフトシーンへの対応となると、贈りもの・お返しものを含めると100種類以上にもなりますので、その対応は仕組み化されていないとそれこそ大変です。でも、できる限りの対応や、対応可能なギフトイベントから少しづつスタートすることもできます。

あなたの会社の店舗や通販で、卸販売でも構いません。対応面の煩雑さなどデメリット面からまだギフト商品の販売に本格的に取り組まれていないのであれば、メリットも大いにあることをぜひご存知いただきたく、以下に述べます。

基本的に自宅用・自分用にはどれか1つしか買わないところを、ギフトでは特にお返しの場面では10個など複数買われるケースも非常に多いです。法人向けのギフトもしかりです。個人用に販売しているビジネス手帳などを、法人の名入れサービスなどの工夫をすると100個、200個という多数の注文にも繋がっていきます。

それに日常品は品質だけでなく、価格も相当に重視されますので、価格競争に陥りやすい販売です。対して非日常品=ギフトは、価格というより予算ありきなので、その予算に合う商品であれば価格は比較的高めの設定が可能で、ギフト対応などのサービス面は必要ですが、利益も確保しやすいのです。

そしてさらに大きなメリットは、誕生日、手土産は365日発生し得るギフトですが、他にも365日発生し得るギフトは沢山あります。ギフトはシーズンイベント(中元・歳暮。母の日・父の日・敬老の日・クリスマスなど)が最も分かりやすく、ビジネスの規模も大きいですが、他にも沢山そのシーンはあります。

お祝い事だと、先の出産祝いや結婚祝い(これらは少子化が叫ばれていますが、その分一人当たりの単価が上がっている傾向にあり)、新築祝い、結婚記念日、入学祝い、進学祝い、就職祝い、昇進祝い、定年祝い、還暦祝い、長寿祝い(米寿など多数)、快気祝い、お見舞い、開店祝い、開業祝いなど。さらにこれらは全てお返しとなる「内祝い」が”対”で発生するのです。

さらに忘年会やビジネスでのパーティシーン、町内会などのイベントもの、成約記念などの企業キャンペーンといったギフトもありますし、法事法要も大きなギフトシーン です。

もちろん、時代の変化とともにギフトシーンそのものの変化や求められる商品、サービスも変化はしていきますがギフト全体の市場は、ネット通販の伸長もあって伸び続けている事実があります。時代は変わっても人と人を結びつけるコミュニケーションツールである「ギフト」は、若い世代でも利用されており、今後も有望な市場なのです。

あなたの会社の商品やお店やネットで扱う日常品も、工夫次第でギフト化はできるはず。

365日発生し得るギフトビジネスにトライしてみませんか?